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 昨夜呑み終えたのは、山形県山形市、寿虎屋酒造の本醸造 「 三百年の掟やぶり 」 です。すごいネーミング。
 
 先月、山形県村山市あたりへ行ったときに入った酒店の棚で、異彩を放っていたので思わず手に取りました。
 
 古新聞に包まれ、その上にラベルが貼られています。首には真っ赤な注意書きで 「 無ろ過槽前、生詰のため
 
冷蔵保存のうえ、開栓後はすぐにお飲みください 」 てなことが書かれています。
 
 ちょっと笑ってしまうほど生々しい感じ。
 
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 ラベルには、延々と曰く因縁が記されています。
 
 【 平成に入り当社は山形市の中心部より山紫水明の郊外に移転し、現在は蔵王山系伏流水を仕込水として
 
 馥郁たる清酒を醸しております。
 
  創業江戸の中期享保年間より三百年冬期の寒づくり勤しんで参りました。その一徹さと蔵人の心意気は
 
 幾たびか全国での金賞受賞の栄に浴してまいりましたが、ひたすら社訓を守り蔵酒はすべて濾過して出荷
 
 いたして参りました。】・・・まだ続きます。
 
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 ・・・【 ここに二十一世紀の初頭より、長年来消費者からの要望でありました醸造蔵で蔵人だけしか飲め
 
 なかった酒、また直接酒蔵へ見学へ行っても酒の搾り時に巡り合わせた時しか利き酒ができなかった酒、
 
 搾り出されたばかりの酒に一切何も手を加えない・・・そのままの ≪ 無濾過の槽前の原酒 ≫ を槽場で
 
 直接壜詰をいたしました。これを冬期の寒しぼりの期間に限定して発売いたします。
 
 社訓の「掟」はやぶっても自信をもって、あるがまま、この酒質で飲んでいただきたいのです。 敬白 】
 
  ・・・何もそこまで、と思うところもありますが、これが 「 掟やぶり 」 の意味でした。
 
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 古新聞の外套を脱がせると、中はいたってシンプル。
 
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 精米歩合;65%、日本酒度;+8、アルコール度数;19度以上20度未満。
 
 無濾過ですが、色はさほどついていません。冷したせいか香りもさほど立ちません。そのかわり、ひと口含むと
 
じわっ!と米の味が拡がって、呑み応えのある酒でした。
 
 「 掟をやぶった 」 思いは伝わってきます。