
<2013年4月20日>
東京両国の江戸東京博物館、「 東京ゾーン 」 です。
銀座煉瓦街、浅草の賑わい、関東大震災、モダンな東京の繁華街を通って、次は庶民の日常が展示されて
いました。当時一般的だった 「 庶民住宅 」。

江戸時代の長屋に比べれば数段 「 文化的 」 な生活になっています。
物干し竿に洗濯物、茶の間と台所と土間・・・とはいえ、かなり狭い。でも東京など都会ではこのサイズが標準
だったと思われます。

工場労働者が多く住んでいた東京中央区月島の四軒長屋をモデルにして、昭和初期の庶民の暮らしが再現
されています。
間取りは、2畳、6畳の2部屋に台所、裏露地に面して便所があります。
2畳間には電灯が通っていて、ちゃぶ台、お茶碗と徳利などの食器が置かれていて、家族が一つの食卓を
囲む一家団欒の様子が想像できます。明治時代は箱膳で一人ずつ食べていたのとは、変化したライフスタ
イル。奥には6畳間の寝室があります。

台所は、とにかく驚くほど狭い。
流しは 「 座り流し 」 方式、煮炊きはもちろん竈で、燃料は炭や薪、ガスや専用水道はなく、水は外の共同
水道を利用していたようです。

もう少し時代が進んで、戦時下の住まいになりました。

戦時中の典型的な茶の間の様子。空襲が本格化する直前の東京の下町の庶民の暮らしぶりが分かります。
窓には爆風でガラスが散乱するのを防ぐ紙が貼られ、電灯には灯りが外に漏れないように灯火管制用の
カバーがかけられ、鉄カブトや防空頭巾、空襲警報を聞くためのラジオは命を守るための必需品でした。
鉄カブトの向こう側に見える一升瓶は、玄米に近かった配給米を、棒でつついて精白するためのものです。
親の話などを聞いて想像するしかない当時の暮らしと緊張感が、こうして実物の再現展示を見ると、体で実感
することができます。