
<5月20日>
宮古市赤前地区。
かつては、ここら一帯に住宅や倉庫など建物が建っていたと思われます。大津波に襲われてから2年余り、
海を背に見渡せば、道路は昔のまま、ゴミ箱は新しく設置されたもの、山裾に立ち並ぶ家々は津波が到達
しなかったところ。その前は一面雑草野原です。

雑草の中を掻き分けて、地図を頼りに特定したのがこの場所です。
2月から支援してきた被災企業の倉庫が、( たぶん ) ここに建っていたものと思われます。

赤前地区から、市内中心部を通り抜けて反対側の浄土ヶ浜方面へ。宮古市鍬ケ崎地区に来ました。
ここにも被災企業所有の建物があったはずなので、それを確認するためです。
前面道路に立つと、数百メートル向こうに海 ( 宮古湾 ) が見えます。

後ろは小高い丘になっていて、この延長線上が浄土ヶ浜あたりの断崖と入り江になっています。
長方形の土地の右側が駐車場、左角の白くなっている部分に貸家が建っていました。もちろん跡形もありま
せん。大津波は、丘の斜面にぶつかるまで押し寄せたはず・・・。

斜面を背にしてみると、海とはほぼ同じ高さに地面があり、高低差はごくわずか。海岸に何軒か家が建って
いるのは、震災後に新築された家屋と思われます。

隣地に建つ建物は、津波に洗われたままになっていました。
少なくとも2メートル以上の高さの津波が来たことが分かります。
赤前の倉庫跡地から、鍬ケ崎の貸家跡地へ。跡地から跡地へ廻ってみると、宮古の複雑な海岸線の一定
部分までが例外なく津波の被害を受け、2年あまり経ったこの時も復興はあまり進んでいないことが肌感覚で
分かります。