
<2月18日>
被災地の支援業務のために訪れた宮古市。
宮古湾がすぐ目の前に見える本社事務所の屋上に案内され、少しずつではあれ建物が建ち始めた周りを
見渡しました。屋上に案内してくれたのは、支援先企業の社長の奥さん。
「 3.11 」 当日、社長はここから数キロ離れた田老地区にある工場へ行っており、自宅と事務所のあるこの
場所には、奥さんと会長である舅、息子夫婦などがいたそうです。まさかあんな大きな津波が押し寄せるとは
想像もしていなかったそうで、“ 津波が来そうだから、2階へ上がるか?” ぐらいの気持ちだったとのこと。
宮古湾が盛り上がり、堤防を越え、宮古大橋の下を大量の海水が実際に浸入して来たときに、身の危険を
感じて屋上まで上がり、さらに屋根の上に登ったそうです。

たまたま、そのときに撮られた周辺の写真。
海側の高い位置から見ている写真で、おそらく宮古市役所方面から撮られたものだと思われます。手前が
宮古大橋。この橋は無事ですが、津波が侵入し、破壊し尽くそうとしている瞬間です。私の立っていた屋上の
ある社屋は、画像では橋の向こう側。

部分的に拡大して見ると、屋上のある建物の横の片流れの赤っぽい屋根の上に数人の人が見えます。
これが、ここの会社の奥さんと息子夫婦など・・・。凄まじい写真が残っていたものです。
実はこのとき、手前にあった自宅に会長である舅さんがいて、波にのまれてしまいました。屋上にいた家族は
なすすべもなく、おじいちゃんが津波の中へ消えて行くのを、手を合わせてただ見ているしかなかったそうです。
たまたま家族の写っている写真を見つけた社長が、拡大してパネルにして 「 記念に 」 持っていました。震災
当日の話を聞きながら、パネルの写真を撮らせていただいたものです。

あまりにも衝撃的な写真を見せてもらい、地震や津波の話を聞かせてもらって、最初の訪問を終え、この日は
帰途に着きました。
そんな状況に置かれながらも、いち早く復旧に向けて動き出し、その後苦しいながらも従業員を一人も解雇
することなく、ここまで経営を続けている会社。その二重ローン問題を解決するための支援を行うのが、私の
任務です。
帰り道の途中、道の駅 「 やまびこ館 」 に立ち寄りました。

岩手県内の物産が、結構揃っています。

今回の自宅へのお土産は、ちょっとジョークも効かせて 「 お茶漬け 」 にしました。
B4版ほどの大きさのある馬鹿でかいパッケージに、「 東北限定 」 の文字が躍っています。中身は牛タンと
ホタテ味。ちょっと珍しかったので、買ってみました。