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<10月15日>
 
 今日で、大震災からちょうど1年9ヶ月になります。大船渡の話を続けます。
 
 跡形も無くなってしまった大船渡駅。ホームの痕跡と、錆びた線路だけが、かつてそこに駅があって、三陸
 
鉄道が走っていたということを証明していました。
 
 駅前の周辺は 「 茶屋前商店街 」 という名称の商店街だったようで、折れ曲がった街灯らしきものに商店街の
 
名前が刻まれていました。もちろん、あたり一面、店らしきものはありません。
 
 駅を挟んで、海とは反対側に、できたばかりの商店街がありました。ピンク色の真新しいアーチ型看板の
 
「 おおふなと夢商店街 」。
 
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 板張りのデッキのような床の上に、仮設の商店街が並んでいます。
 
 自転車店、ブティック、電器店、理容店、美容室、産直販売、化粧品店、菓子店・・・。
 
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 北側は2階建て。
 
 鮮魚店、生花店、理容店、ブティック、呉服・寝具店、書店、表装具店、商店街事務所、不動産屋・・・。
 
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 文具店、食堂、やきとり屋、カフェ。
 
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 共有のオープンスペースも広々と取ってあって、ゆったりしています。
 
 それにしても、人が誰もいませんでした。この日は月曜日のお昼頃。曜日の関係もあるのかも知れません、
 
時間帯の関係かも知れませんが、殆んど誰もいない状態なのには、いささかの驚きと一抹の寂しさを感じま
 
した。ただ残念ながら、これが現実なのかも知れません。
 
 物販、サービス、飲食などひと通り揃えた集積になってはいるものの、そもそも店が狭い、生鮮を含めて
 
品揃えが少ないのはどうしようもありません。そして何より、周囲は見渡す限りの荒涼とした被災地が拡がって
 
おり、住民がいません。
 
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 事務所も含めて、全部で30店舗ほどが入居しています。
 
 ここから、車で数分も走れば、津波の被害は全く受けていない地域になり、そこには以前と変わらない生活が
 
あって、お店も沢山あります。
 
 いくら皆さんが大変な苦労をして建てた仮設の商店街だとはいえ、ここまでわざわざ来て買い物をしてもうには
 
相当の努力と魅力が必要であることを、思い知らされたような気分でした。
 
 店がないよりは、あった方がいいに決まっていますが、店があることでコストもかかる。頑張って欲しいとは
 
思いますが、集客の工夫をどうやって行くのかが、問われていることも確かなようでした。