
<4月28日>
奈良ホテルの中に入りました。
フロント前は2層までの吹き抜けになっていて、天井からは春日釣灯籠に似せた和風シャンデリアが下がって
います。欄干のように見えるのは、二階部分が回廊のような形になっているため。
すべて木造。床、壁、階段、手すり、柱、天井まで磨き抜かれて黒光りしています。

深紅の絨毯が敷き詰められた廊下。
照明は少し控えめになっていて、落ち着いた雰囲気です。

ロビー脇の休憩スペースに、古びたピアノがありました。
1922年12月17日から2泊した、アインシュタイン博士が弾いたピアノだそうです。
一時行方不明になっていたピアノが、1992年に発見され、創業100周年を迎えた2009年にホテルへ里帰り
を果たしました。ピアノの上には、博士の写真が飾られています。

ピアノの斜め前の壁際に立っているのは、大きな大きな古時計。
天皇陛下の即位を祝して置かれたもので、「 平成の大時計 」 という名前が付けられています。実際に両陛下
が宿泊されたときに、皇后陛下がいたく気に入っていた・・・というエピソードが紹介されていました。

ゆったりとした休憩スペース。
私たち夫婦は、大時計の前のソファに腰かけていました。フロント側には一組の年配の男女3人が座り、
何やら談笑していました。とくに女性の方の声が、良く通り、言葉の端々に話の内容が分かるほど・・・。
聞くでもなく聞いていると・・・どうやら・・・。

女性の隣りにいるのは、影絵作家の第一人者 「 藤城清治 」 さんのようです。
ちょうどホテルで展示会が行われていた時期で、ご本人の風貌は知りませんが、会話から推測するに、どう
やらご本人と断定。失礼して、周りを写すフリをしながらズームで撮らせていただきました。
アインシュタイン、天皇家、藤城画伯・・・一流の著名人たちが、さりげなく行き交う姿が、このホテルにはまた
良く似合います。