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<1月5日>
 
 箱根宮ノ下の富士屋ホテルの探検が続きます。
 
 日本庭園の奥に 「 ホテルの守り神 」 という古井戸の跡がありました。
 
 このホテルの歴史は、パンひとつ運ぶのでさえ険しい山道を登り降りするという、苦労の連続でした。
 
特に大正14年の関東大震災は一瞬のうちに、ホテルの土地・建物・鉱泉等に少なからざる損害を
 
与え、断水状態となり、大変困難に陥ったそうです。その際、大活躍したのがこの井戸。当時滞在中
 
のお客様の食事や洗面のために、大いに役立ち、文字通り救いの神となったそうです。
 
 この井戸は、山の斜面を利用した横井戸形式の珍しい井戸で、水道工事が復旧するまで利用され、
 
今でもホテルの守り神として大切に祭られているそうですただし、汲む事も、飲む事も出来ません。
 
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 斜面の庭園伝いに奥まで歩いて行くと、地続きで神社の境内になりました。
 
 熊野神社です。隣りの富士屋ホテルとは対照的に、こじんまりした静かな境内です。「 宮ノ下 」 という地名は
 
この神社が関係しているのかも知れませんね。ここもある意味 「 守り神 」。
 
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 正面入り口を入って、すぐに階段があり、登り切ったところがフロントになります。
 
 その階段の手摺りの一番上。
 
 「 麒麟 」 でしょうか。人の背丈ほどもあろうかいという、大きくて立派で、細かい彫刻が施されています。
 
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 大きな 「 麒麟?」 の彫刻と向き合うように飾られていたのは、これまた巨大な 「 寄せ書き凧 」。
 
 東日本大震災からの復興を願う、多くの方々のメッセージでびっしりです。
 
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 1階、バックヤードも垣間見ることができる通路は 「 ルー・ド・ラペ 」。
 
 ここは、プールや大浴場のある 「 花御殿 」 の建物へと通じています。外観の派手さとは反対に、内部は
 
至ってシンプル&ゴージャス。
 
 チャペルの奥、祭壇には十字架が見えます。
 
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 荘厳な雰囲気です。
 
 窓から差し込む光の柔らかさと、家具調度品、祭壇の伝統的色遣いで、厳粛なムード一杯。
 
 古井戸からチャペルまで、長年の歴史の中で培われた、高級でありながら庶民的な味が滲み出ていました。
 
いずれも、富士屋ホテルの 「 守り神 」 ともいえます。