
<2011年1月9日>
プラド美術館の中は、完全に撮影禁止。
生で鑑賞して来た名画の数々の中から、いくつかを、ネット上で公開されている画像をシェアしながら紹介して
おきます。まずは・・・フランシスコ・デ・ゴヤ・イ・ルシエンテスの作品から。
プラド美術館で所蔵しているゴヤの作品は、150点近い真筆の絵画と500枚もの素描やエッチング。
数あるゴヤ作品の中でも、日本で特に知られているのは、この二つでしょう。「 裸のマハ 」&「 着衣のマハ 」。
「 裸のマハ 」・・・油彩、カンヴァス、97cm×190cmですから、思っていたよりかなり大きい作品でした。謎め
いていて今でも不可解な作品と言われている絵で、均整のとれた古典的な美貌を持つヴィーナスとは一線を
画し、どこか不完全な雰囲気を持ちながら魅力溢れた生身の女性です。
「着衣のマハ」・・・油彩、カンヴァス、95cm×190cm。ほぼ同じ大きさですが、裸婦よりも後に描かれたと
いうのが定説になっているようです。よーーーーーーーぉく見ると、実はこの二つの絵はかなり違います。

これも知られています。
ディエゴ・ベラスケス作 「 ラス・メニーナス ( 女官たち )」 または 「 フェリペ四世の家族 」。
油彩、カンヴァス、318cm×276cmという巨大な絵でした。畳で言えば何畳分?迫力に圧倒されます。
描かれている人物は11人。ベラスケス本人の自画像も含まれています。よくよく見ると、見ている側の視線は
実は女の子 ( 王女マルガリータ ) ではなく、その奥の額縁に納まっている国王夫妻に当たることが分かり
ます。光と影、明と暗、陰と陽、直線と曲線、自分の視線と絵の中からの視線・・・などなど、奥深い作品です。

そして、エル・グレコ ( ドメニコス・テオトコロプス ) の 「 羊飼いの礼拝 」。
油彩、カンヴァス、319cm×180cm。これも大きい絵です。
エル・グレコ最晩年の作品といわれ、自分自身の埋葬礼拝堂を飾る祭壇の衝立画だったそうです。
他には・・・。
あまりの数の多さに、とても紹介し切れません。それより何より、実物を目の前にしたときの、あの感覚はどう
頭をひねっても伝えることができません。美術作品の鑑賞は、やはり、「 その前 」 に立たなければ分からない
と思います。
一応、「 その前 」 に立ちすくんで見ることができた作者名を、順不同で・・・
ラファエロ、アルブレヒト・デューラー、レンブラント、バルトロメ・エステバン・ムリーリョ、フランシスコ・デ・ゴヤ
基本的にガラスで隔てられてはいません。触ろうと思えば触れるような距離で、間近に見ることができます。
正直、この距離感で名画を鑑賞できるという至福の時間を過ごすことができました。