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<11月5日>
 
 女川町から国道398号線女川街道を北上して行くと、女川湾、御前浜、浪板を通って、再び石巻市に入り
 
ます。これは、海に突き出た形の女川町を、石巻市が包み込むような位置にあるため。
 
 ただ、旧町名で言えば、ここは 「 雄勝町 ( おがつちょう )」 です。合併したから石巻市。
 
 そんな旧雄勝町に入って、衝撃的な光景を目にすることになりました。
 
 “ エッ!そんな・・・”
 
 建物の上に、バスが乗っています。
 
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 建物の周りは、まだ瓦礫の山。
 
 潮の香りと、瓦礫の臭いと、草の匂いなんかが入り混じって、独特の香りが鼻をつきます。
 
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 建物奥の方まで行ってみました。
 
 旧雄勝町の公民館ですね。大津波に押し流され、波が引いたあとで、ちょうど屋上に乗っかった形で取り残
 
されたバスの姿。建物は外側だけを残して、中は完全に破壊されています。これもまた、見ているだけで背筋が
 
凍るような光景。
 
 こうしてカメラを向けている自分の立ち位置は、荒れ狂う津波の波頭の遥かに下です。
 
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 公民館から、もう少し行くと、今度は郵便局。
 
 ここも、ほぼ壊滅的状態。
 
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 看板も、電柱も、街灯もなぎ倒され、中の鉄筋がむき出しになっていました。
 
 手のつけようがない、といった感じです。
 
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 手をつければ、こうなります。
 
 廃墟のような郵便局の後ろ側、あの山に向かって津波が押し寄せたことが分かります。
 
 手をつけたところは、一面の更地になっています。
 
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 あtり一面、破壊し尽くされた街。
 
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 海があって、山があって、きっと豊かな自然の恵みに溢れる土地だったと思われます。
 
 いまは・・・何もありません。
 
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 きっちり、山裾まで、例外なく、津波は持って行きました。
 
 この旧雄勝町、その前の女川町も似たり寄ったりですが、「 人の気配 」 が殆どしません。たまに車が通る
 
だけで、人っ子一人歩いていない。動いているものがない。
 
 聞こえるのは、風の音と、波の音と、カモメの鳴き声と、カラスの鳴き声・・・ぐらいしかありません。何も無い、
 
胸が締め付けられるような 「 不気味なほどの静けさ 」 に包まれていました。
 
 復旧だ、復興だと言いますが、市町村によって、地域によって、その度合いには相当の落差があることが、
 
現地へ行ってみて初めて分かりました。