
<9月9日>
信州、小布施の街。
街角にある 「 昔話紙芝居 」 という面白いモノを楽しみながら、もう少し歩くと立派なお屋敷が見えて来ます。
「 高井鴻山記念館 」 です。

高井鴻山 ( 文化3年~明治16年/1806~1883 ) は、江戸末期の小布施有数の豪農・豪商で、当時の
思想家や文人たちと交流し、幕末の変革に関わった人物。その生誕の地が、ここです。

門をくぐると、正面に古井戸があり、左側は 「 文庫蔵 」 になっています。
鴻山は、幕末維新の激動期に、陽明学を修め、“ 知行合一 ” の精神で “ 国利民福 ” を貫いた人です。
文庫蔵は、鴻山が書庫として使用していた蔵。

中には 「 書 」 に関する展示で一杯。
鴻山が揮毫した巨大な 「 幟旗 」 や遺品となった巨大な筆などの書道用品が並べられています。靴を脱いで
中へ上がると、そのまま棟続きで 「 鯈然楼 ( ゆうぜんろう )」 と呼ばれる建物になっています。

高井鴻山は、数多くの文人墨客と交流があったことで知られており、中でも懇意にしていたのが 「 葛飾
北斎 」。ここ 「 鯈然楼 ( ゆうぜんろう )」 は北斎のために新築したアトリエ。
謎の多い画家である北斎は、小布施とは縁の深い人物。そのキーマンとなったのが、鴻山です。

聡明な顔立ちですね。
15歳のときから、16年間もの長期間、京都や江戸で遊学し、各界の第一人者から多彩な学問や芸術を
修め、自由で幅広い人脈を築きました。
小布施の街に戻って、高井家の当主となってからも、巨万の財力を惜しげもなく使って、自ら修めた学問を
幕末の変革のために使ったと言われています。
( 失礼ながら ) こんな人が小布施にいたんですね。このとき、初めて知りました。