
<11月5日>
亘理町から阿武隈川を渡って岩沼市へ、仙台空港を経由して名取市へ、名取川にかかる閖上 ( ゆりあげ )
大橋を渡って仙台市若林区へ入りました。さらに北上すると、宮城野区になります。
仙台港近くの道路沿いには、キリンビール仙台工場、三井アウトレットパーク仙台港、カインズホームなどの
大型の工場や店舗が並んでいる一画がありますが、このへんも津波で大きな被害を受けました。8ヶ月経って、
これらの施設はかなり復旧が進んで来ています。
一方で、ほとんど手つかずの状態で無残な姿を晒しているのは、さらに港に近い場所にある工場や倉庫群。
マルちゃんの東洋水産の物流倉庫と思われる建物は、シャッターがめくり上がって錆びつき、雑草が増えて
いました。

このへんは多賀城市に入ったと思います。
「 SONY 」 の工場は1階部分が破壊されたものの、建物はかろうじて残っていました。

玄関前の植え込みやなどは、倒れたまま。
工事用の機械の音が聞こえていましたので、まさに復旧工事の真っ最中だったと思われます。それにしても、
亘理町から名取市の沿岸のように 「 全く何もかも無くなってしまった 」 光景は言葉を失ってしまいますが、ここ
の工場・流通団地のように 「 大型の施設が一部破壊されたものの残った 」 というのも大変です。
修復、改装するのか、解体するのか、いずれにしても多額の費用がかかるわけで、負担はむしろ大きくなる
という事態になっています。

多賀城市からは、海に突き出た七ヶ浜町方面へは行かずに、真っ直ぐ北上して塩竈市に入りました。
塩竈市内も相当な被害を受けています。しかも驚いたのは、あちこちでまだ信号が消えていること。注意して
運転しないと、見落としてしまいます。それと、道路がまだ完全には復旧していないこと。市内中心部でも、
傷んだままの道路がそのままになっていました。
「 塩竈港 」 の埠頭近くに車を止めて、海のそばまで行ってみました。津波に襲われた港の施設は、変色して
ボロボロになっています。

防潮堤整備の高さを示す目安の看板がありました。
画像一番左下から順に右上へ・・・、
「 これまでの防潮堤の高さ 標高2.7m 」「 必要防潮堤高 標高3.3m 」「 必要防潮堤高+余裕高 ( 1m )
標高4.3m 」 とあります。
おそらく、どの高さにするのか、まだ決まっていないんでしょうね。少なくとも3.3m、今回の津波の大きさを
考えれば、できれば4.3mは欲しい、というところでしょうか。

港のそばに、扇形の建物が建っていました。
「 マリンゲート塩竈 」。目の前に4.3mの 「 壁 」 ができたら、景観がまるっきり変わってしまいます。防潮堤
は悩ましい選択を迫っています。