
<9月27日>
八戸鉄工団地内にある 「 北日本鍍金 ( メッキ )」 の現地視察。
電解研磨工場の被災現場で、大志民社長から当時の状況とその後の対応について、ひととおり説明を受けた
あと、視察団はいくつかのグループに分かれて、他の工場も見せてもらいました。
私たちのグループが次に行ったのは、お隣りの 「 電気鍍金工場 」。画像だけ見れば、一見何事もなかった
ように見えるかも知れませんが、この工場は現在も全く手つかずで動いていません。

内部は、一応綺麗に片づけられ、資材類や部品のようなものも整理されています。
隣りとのドアの上のあたりに、汚れた一本の線が見えます。

ドアの上の非常口マークのあたり、カレンダーの上のあたりに、薄汚れたラインがあって、上と下では汚れ方が
違います。これが 「 津波到達ライン 」。

電気めっきの工場ですから、ラインは全て電気で動く仕組み。
それが、人の背丈を越す津波に襲われ、海水に浸かったため、完全にやられました。半年以上の時間が経過
して、機械類はサビだらけ。悲惨な状況です。

この工場と一体になっていた道路側の事務所建屋は、津波で跡形もなく 「 持ち去られて 」 しまいました。
工場内にも、車が数台流されて、「 飛び込んで 」 来たそうです。
設備被害;簿価ベース約5百万円、取得価額ベース約1億5千万円。復旧費用;約1億円。ということは、修理
して、磨き直して使うのと、全く新しい設備に入れ替えるのと大差ないことになります。
全部流されて土台しか残らないのも悲惨ですが、ほとんど残っても使いものにならず、修理や撤去に費用が
かかるのも悲惨。何をするにも、カネがなければ何もできないことが、肌で分かりました。その資金調達方法が
大志民社長の悩みどころ、苦しいところです。