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<7月15日>
 
 早朝の九条通り、東寺境内の散策。
 
 「 南大門 」「 鎮守八幡宮 」「 五重塔 」「 金堂 」「 講堂 」「 食堂 」 と巡って北東側へ。広大な砂利の広場の
 
脇に、見事な柳の木がありました。柳の前の立て札には・・・
 
 【 伝 小野道風ゆかりの柳 - 歌舞伎 小野道風青柳硯 「 柳ヶ池蛙飛の場 」 舞台より -】 とあります。
 
 小野道風の逸話自体、事実かどうかはっきりしないし、千年以上も前の話なので、まさかこの柳が 「 それ 」
 
なわけはありませんが、歌舞伎の題材になった柳となれば、少しは真実味がありそうです。
 
 「 跳びつける筈がないと思って見ていたら、たまたま風で柳がしなって跳びついた蛙の姿に、自分の努力不足
 
を反省した 」 という逸話は、諦めずに頑張る日本人にはぴったり。
 
 私は、いさささか不浄ですが 「 花札 」 を思い浮かべておりました。
 
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 小野道風ゆかりの柳は、蓮池のほとりに立っています。その向こうに見えるのは 「 宝蔵 」。
 
 「 校倉寄棟造 本瓦葺 」 の蔵は、平安時代の建物で重要文化財。弘法大師空海が唐の国から持ち帰った
 
様々な寺宝を納めるため、周囲を池で囲んで火災から守っています。
 
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 その池は、蓮がびっしり。
 
 夏の朝の陽射しに、葉っぱと花が輝いていました。
 
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 北東の角にあるのが 「 慶賀門 」。ここから出ました。
 
 大きな石灯籠、東寺の正式名称である 「 史蹟 教王護国寺境内 」 の石柱表示。看板に何やら文字が・・・。
 
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 弘法大師の御言葉でした。
 
 【 蓮を観じて自浄を知る 】( 般若心経秘鍵 )・・・蓮の花をよく観察すれば、本来の自分は清浄であることに
 
気づきます。
 
 つまり、
 
 ≪ 蓮は清水の中には咲かず、あえて泥の中に咲いて、しかも泥に染まらずに清らかな花を咲かせます。
    人間も蓮のように、この苦労の俗世間から逃げ出さず、苦難に耐えて、汚れを浄化して超えて行かなけれ
     ば、自分自身の花を咲かせることはできません。
      それが私たち人間に課せられた修行(菩薩行)です。
      仏さまがお座りになる蓮華座は、私たちの生きる見本を、蓮になぞらえて教えて下さっているのです。≫
 
 蓮にはそういう意味があったんですね。初めて知りました。
 
 柳を見て花札を想像しているようでは、まだまだ不浄の域を脱していません。
 
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 「 慶賀門 」 です。
 
 境内の北東角に位置する門で、駐車場の入り口にもなっています。京都駅からは、ここが一番近い。
 
 普段は、人の出入りが一番多いと思われます。そのためでしょうか、門のすぐ左側に交番がありました。
 
 早朝の散策で、何気なくふらっ!と来ただけの東寺。そのわりには、様々な刺激を与えてくれました。