
<9月19日>
台風15号の影響で、降りしきる雨の中、朱塗りの大鳥居をくぐって境内に足を踏み入れた白山神社。
参道を通って 「 随神門 」 から 「 本殿 」 前へ、裏の方へ廻って 「 御稲御倉 ( みしねのみくら ) 」 を見て、
さらに奥へと入って行くと、立派な庭園があります。茶室、池、滝、太鼓橋、形の良い松をはじめとした庭木。
新潟市のど真ん中とは思えないような空間が拡がっていました。

小高くなった東屋のような場所から、大木越しに噴水が見えます。適度な起伏もあって、眺めも良く、散歩する
にはもってこいの環境。そのせいでしょう、雨の中でも犬を散歩させている人が結構いました。

白山神社の東側一帯が白山公園になっていて、とにかくあちこちに石碑が建っています。その数は半端じゃ
ない。そのうち、東の端に建っていた、ひときわ目立つ碑が 「 明和義人顕彰碑 」。
明和4年~5年 ( 1767~1768年 ) 新潟は深刻な不景気で苦しんでいました。当時、新潟町を治めていた
長岡藩は多額の御用金を出すよう命じますが、町民の立場に立って戦いを挑んだのが、涌井藤四郎、岩船屋
佐次兵衛らです。
この 「 新潟明和騒動 」 呼ばれる事件は、町民が藩政に抵抗して短期間ながら町民自治を実現します。しかし
最後は首謀者の二人が捕らえられて、市中引き回しのうえ打ち首獄門で幕を閉じました。後世になって、この
事件に関わった人達は 「 明和義人 」 として讃えられることになります。
教科書にも載っていない事件が、新潟であったんですね。初めて知りました。

白山公園前の一番掘通りの横断歩道を渡って、反対側へ。
大鳥居を真正面に見る通りが 「 上古町商店街 」 です。アーケードの支柱の足元に、この商店街のシンボル
マークが浮き彫りにされていました。
白山神社の門前町であることを示す右上の鳥居のマーク。隣りの4個の小さなマルは、古町1番町~4番町
まで4つの町内が集まって商店街組織を作ったことを表しています。「 人 」 の文字は来客への期待と、延ばして
4つのマルと合わせれば 「 上 」 の字にもなります。
13番町まであるという 「 古町 」 の、一番上に位置する商店街として、ストーリー性を満載しながらとても良く
デザインされたシンボルマークです。

夕方5時頃の上古町商店街です。
一見して、アーケードの高さが低いのと、灯りが蛍光灯の白色ではなく、柔らかい白熱灯であることが分かり
ます。このとき結構強い雨が降っていましたが、ここからは傘は不要。こういうときには、アーケードは助かり
ます。

自転車店・・・普通の自転車店ではありません。
ここは、上古町商店街組合が経営している 「 カミフルサイクルステーション 」。
自転車の販売はもちろんですが、休憩用にロッカーやシャワーを備え、修理や一時預かり、レンタサイクルの
事務局、ベロタクシーの受付、スマートクルーズのターミナル、イヤホンガイドのレンタル、サイクリング・ツァー
の案内など、要は 「 自転車のことなら何でも 」 という拠点になっています。
“ これがウワサの商店街組合が経営する自転車屋かぁ・・・” という思いで見ていました。