
原題は 『 海の壁-三陸沿岸大津波 』 として、昭和45年(1970)に出版された本です。
この本が、41年後に再び脚光を浴びて、ベストセラーになって・・・しまいました。
「 3.11 」 がなければ、もしかすると私も手に取ることはなかったかも知れません。同じ東北に住む者とは
いえ、どこか 「 三陸の大津波 」 は 「 ひとごと 」 で、自分の身に降りかかることはない・・・と思っていました。
この本では、明治29年、昭和8年の大津波と昭和35年のチリ地震津波が取り上げられています。
死者数はそれぞれ、26,360名、2,995名、105名と記されています。
ドキュメンタリー映画を観ているように、淡々と、事実の積み重ねで綴られた文章は、そのことが却って
「 凄味 」 と 「 恐怖 」 と 「 悲しみ 」 を倍増させているような気がします。
大地震、大津波の時には前触れがあるんですね。大豊漁だったり、沖合の怪しげな光だったり、海草の異常
発育だったり、鰻の大量発生だったり、井戸水が濁ったり、自然界には何か不思議なメカニズムがあるのかも
知れません。
学ぶこと、教えられることの多い本でした。
【 2011年8月3日 読了 】