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<6月17日>
 
 農事組合法人アグリ・ハウス加護峰 ( かごぼう ) の高梨組合長の語り口は、朴訥としていながら優しさと
 
地域や仲間を思いやる気持ちに溢れていました。
 
 昭和58年に初めて造り上げた 「 手造りのハムとソーセージ 」。以来30年近くに渡って、気心の知れた4組の
 
夫婦だけで事業を続けています。
 
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 現在は直売会員数約460名に対する一定の売上だけで事業は回っています。これ以上大きくするつもりも、
 
一所懸命後継者を育てて事業を継続するつもりも、あまりないようでした。自分たちが無理のない範囲で、体が
 
動く年齢まで続けれればそれでいい、継ぐ人は出て来ればいいけど、出て来なければ止めればいい・・・。
 
 1時間余り話を聞いていて、人柄や考え方が 「 羨ましいくらい自然体 」 でした。
 
 今日より明日、今よりもっと上を目指して・・・というのが日本人にありがちなスタンスですが、ここは違います。
 
 “ こごまで、頑張ってやって来たんだものぉ、あど、そんなに無理しなくてもいいっちゃぁ!楽しぐ、やればぁ!”
 
 あっけらかんと言い放つ高梨組合長の楽観的な笑顔が印象的です。
 
 これはこれで “ こういう、生き方も 「 あり 」 だな ” と思いました。
 
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 せっかくだからと、製造現場も見せてもらいました。
 
 狭い工場内で、ハム、ソーセージを作るのは毎月 「 10日 」 と 「 25日 」 だけ。そこでできた分だけ、会員と
 
ごく一部小売りをしています。
 
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 燻煙室も開けて見せてもらいました。
 
 ハム・・・豚肉の漬け物を燻煙したもの
 ソーセージ・・・挽肉に香辛料を混ぜて燻煙したもの
 
 企業秘密になりそうなのは、ハム作りのための漬け液 ( ピックル液 )、ソーセージ作りの赤身と脂身の割合、
 
それと燻煙方法でしょうか。
 
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 話を聞いていて、改めて思い知らされたのは、一般に流通している大手のハムやソーセージが、如何に
 
「 まがいもの 」 であるかということ。
 
 いろんなものを混ぜ、巧みな製法を駆使してコスト・ダウンを図り、店頭に並んでいる価格を実現していますが
 
 “ よぐまぁ!あんなもの食っているもんだなぁ!”
 
 というのが実態だそうです。ちょっと背筋が寒くなるような話を聞いて来ました。多かれ少なかれ、日本では
 
そんな食べ物が、まだまだ横行しているようです。
 
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 4組の夫婦+4人のパートさん、計12名だけの小所帯。
 
 そんな 「 アグリ・ハウス加護峰 」 の中に、日本の食が置かれている安全・安心というキーワードの縮図と、
 
「 身の丈 」 に合った暮らし、「 地域と仲間 」 を大切にする生き様が凝縮されていました。