先週末に栃木方面へ行き、大震災の被災地が如何に広い範囲に及んでいるかを実感して来ました。
栃木の名窯 「 益子焼 」 の窯元が甚大な被害を受けていたことを、現地で買った 「 下野新聞 」 の記事で
初めて知りました。
素焼き前の器や、完成した器が落ちて割れたのは想像がつきますが、「 登り窯 」 が全壊していたんですね。
毎年ゴールデンウィークに合わせて開催される 「 春の陶器市 」 に向けて、一所懸命製作に励んでいた矢先の
大震災。瓦礫と化した登り窯の姿を見た陶芸家の方々は、言葉もなかったようです。
いまはボランティアが駆け付けてくれて片付け作業が始まり、陶器市も期間を短縮して開かれることになった
ようです。窯の復元は大変でしょうが、何とか早く復興してもらいたいと願います。
赤坂あたりの話を続けます。

<3月5日>
ホテルニューオータニの日本庭園探検。
清泉池まで戻って来てから、目に止まった竹藪の脇の生垣の小路を辿って行きました。時代がタイムスリップ
したような感覚になる、情緒溢れる小路。
右手にプールを垣間見ながら、緩やかな下り、石段をトントンと下ると、隠れ家のような粋な建物があります。

竹藪の小路を抜けた先にあったのは、「 なだ万 本店 」=「 山茶花荘 」 でした。
あんまり、ひっそりと佇んでいたので、逆にビックリ。
“ ここに本店があったんだぁー・・・ ”
「 なだ万 」 は、よく耳にするし日本料理界の最高峰の店の一つであることは知っていますが、本店がどこに
あるかなんて考えたことがありませんでした。
創業天保元年 ( 1830 ) の老舗日本料理店。

せっかくですから、中へ入ってみることにしました。
打ち水が清々しいエントランス。右に緩やかにカーブしながら、緩やかな登り。正面に竹藪が見えていて、
左右の塀も含めて、まさに 「 和 」 の真髄・・・。登り切ったところに玄関があります。
以前、東京サミットの晩餐会にも使われた、我が国を代表する数寄屋造りの名建築。
せめて、入口前の 「 お品書き 」 でお値段でも確かめようか・・・と思いきや、そんなものはありませんでした。
そもそも値段を気にするようじゃ、「 なだ万 」 に入る資格はないのかも知れませんね。
失礼いたしました。