金沢21世紀美術館 「 まるびぃ 」 には、多くの見どころがあります。
そのうちのひとつが、エレベーター。

上から見れば、こんな風に見えます。
油圧で動いていると思われます。二重のパイプに油圧がかかって、「 ハコ 」 を押し上げたり、ゆっくり下ろし
たりしています。

この四角い丸見えのシースルー・エレベーターが、上がったり下がったり。
別にどうってことのないエレベーターですが、不思議に見ていて飽きません。
この美術館建築にあたって、いくつかのコンセプトがあります。
その一つが 「 透明性 」。これは、外壁や建物内の壁面の多くにガラスを採用し、「 透明であること、明るい
こと、開放的であること 」 を追求しています。同時に、内部と外部など互いに異なる空間にいる者同士が互いの
様子や気配を感じ取ることができる、出会いの感覚も演出されていて、「 透明性=出会いと開放感の演出 」 と
いうのがテーマ。そのテーマを体現しているようなエレベーターでした。

敷地内には 「 茶室 」 もありました。この日は貸切で、中を見ることはできませんでしたが、これも金沢らしい
風情のある仕掛け。

『 まちに向かって開かれた公園のような美術館 』 を基本コンセプトにした金沢21世紀美術館。
「 透明性 」 のほかに 「 多方向性 」「 水平性 」 というコンセプトがあります。
「 他方向性 」 とは・・・「 開かれた円形デザイン 」 三方が道路に囲まれている美術館の敷地内にどこから
でも入ることができるように、正面や裏側といった区別のない円形が採用されました。建物が街と-体になる
ためのデザインです。
「 水平性 」 とは・・・「 各施設が、街のような広がりを生み出していること 」 展示室やカフェレストラン、アート
ライブラリーなど、それぞれに個性豊かな各施設はほぼ水平方向に配置されていて、街のような広がりを
生み出しています。建物の回廊部分を一周すると、様々な特徴のある施設を巡ることができる配置です。
そんなこんなで、とても紹介し切れない様々な要素を持つ美術館でした。