
歌舞伎座の全体をカメラに納めるには、道路の反対側に行かなければ入りません。
交通量の多い晴海通りを渡って、正面から全景を見ます。周辺には、同じようにカメラを向ける人が沢山
いました。もうすぐ解体される歌舞伎座の、最後の雄姿を残しておこうとする人の波です。

垂れ幕にも 「 御名残四月大歌舞伎 」 の文字が躍っていました。
東京大空襲で全焼した歌舞伎座が復興されたのは1950年。以来60年、歌舞伎の殿堂として、またその独特
の姿から銀座の名所の一つとして人気を集めてきました。

老朽化、耐震性、バリアフリー化の問題を抱えていた歌舞伎座の建て替えが発表されたのは2008年。
地下4階地上29階という構想で、劇場部分だけは和風の様式を残すというものです。賛否両論あるところで、
保存の要望も出されましたが、結局は計画通りに着工することが決まり、ずっと 「 さよなら公演 」 をやって
いました。
私が行ったのは4月17日。4月末の閉館日が迫っていたこの日、建物周辺は人で溢れておりました。