
『 なぜ、男は老いに弱いのか? 』(三好春樹著)、講談社文庫。
ある意味、身につまされますね。言っていることが、なかなか核心を突いている。
■男の老いは危機だらけ
■老いに出会えてよかった
■男の介護の功と罪
■老いの背景
■老いに学ぶ、老いに入る
長年介護の現場で生きてきた著者ならではの視点が、はっきりと現れています。現場からの考え、現場からの
意見なので、とにかく説得力があります。思わず、うなってしまうような言葉も随所に出てきます。
「 コンクリートの新築の建物より、木造の民家の方が痴呆性老人にはありがたい。」
「 将来、体が不自由になって老人施設に入所したときに、介護職から嫌われない条件は、たった二つ。一つは
体重が重くないこと、もう一つは性格がひねていないことである。」
「 老いに適応しやすい条件は三つ。金・地位・名誉と縁がないこと。進歩主義を信奉していないこと。自立した
個人にこだわらないこと。」
もう何年か経って、自分自身が 「 老い 」 と真剣に向き合わなければならなくなったときに、もう一度読んで
みたい本です。
【 2010年6月5日 読了 】