愛媛県内子町には伝統の 「 技 」 が今に伝えられています。
 
 「 桐下駄 」「 棕櫚 ( しゅろ ) 細工 」 そして 「 和蝋燭 」 です。
 
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 歴史的街並み保存地区の一角にある 「 大森和ろうそく屋 」。
 
 薄暗い店内で、女性の方が蝋燭製造の実演中。棚には色とりどり、多少様々の 「 和蝋燭 」 が並んでいます。
 
 値段は、普通のロウソクに比べて数十倍。驚くほどの、お値段でした。
 
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 ハゼの実をつぶして、蒸して圧搾して作った 「 木蝋 ( もくろう ) 」 で作られる 「 和蝋燭 」。
 
 作り方の解説を読むと、バウムクーヘンの原理なんですね。初めて知りました。何層重ねるかによって、太さ
 
が変わり、火のもち時間が変わります。
 
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 実演の方が、淡々と説明をしながら、ロウソクを造っていました。
 
 溶かした木蝋を手ですくい、灯心 ( とうしん ) を回しながらバウムクーヘンのように幾重にも塗り重ねて
 
行きます。
 
 右側にある火のついたロウソク。「 炎 」 の大きさと明るさが、普通のロウソクとは全然違います。そして、
 
何より驚かされるのは、「 煤 ( スス )」 が全く出ないこと。
 
 昔の日本人は、これで夜を過ごし、書物も読んだことが、よく理解できました。
 
 近江和蝋燭、越前和蝋燭、三州岡崎和蝋燭、産地はあちこちにありますが、内子町もそのひとつ。修復工事中
 
だった 「 上芳我家 」、立派な庭のあった 「 本芳我家 」 も木蝋で財をなした旧家ですから、この地での蝋燭
 
生産は相当高いレベルだったことが分かります。