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 ブダの丘の上、王宮の建物を背に、「 ゲッレールトの丘 」 方面へ歩き続けます。
 
 眼下にはドナウ川がずっと見えていて、緩やかなカーブを描いている王宮の敷地に沿って、その眺めが
 
刻一刻と変化して行きます。
 
 まだ葉をつけない大木の向こうに、「 くさり橋 」、その向こうに 「 国会議事堂 」、横に 「 マルギット橋 」 が
 
見えています。
 
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 やや左側に目を移すと、「 マルギット橋 」 の西側。「 オーブダ 」 と呼ばれる地域です。
 
 はるかローマ時代、今から2000年ほど前、ローマ人はここドナウ川の近くにもやってきて、ブダの北、
 
オーブダの地に 「 アクインクム 」 という軍の宿営地を置き、そこに町が生まれました。オーブダは古いブダと
 
いう意味、ブダペスト発祥の地です。
 
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 遠景を眺めている限り、心洗われるような景色が、どこまでも続いています。
 
 フト、目をすぐ下に転じると、ドナウ川の河岸には生活の臭い、現実が見えます。家屋の取り壊しの跡で
 
しょうか、瓦礫が散乱しています。古い集合住宅が並んでいて、「 暮らし 」 の裏側が垣間見えます。
 
 ハンガリーの人たちは、今も自分たちのことを 「 マジャール人 」 と呼びます。ハンガリーという国名も通称
 
で、正式名称は 「 マジャール共和国 」。通過であるフォリント紙幣にもハンガリーという名は登場せず、
 
「 マジャール国立銀行 」 と書かれています。「 NIPPON 」 と 「 JAPAN 」 に良く似ています。
 
 日本とハンガリーには、他にも共通点があります。
 
 ハンガリー人の名前は姓・名の順ですし、住所の表記方法も日本と同じで、県、市、通り、番地と大きなくくり
 
から小さなくくりへ順に表記します。こんな風に聞くと、不思議に親しみが沸いて来ます。