『 気まずい二人 』 三谷幸喜、角川文庫。
何とも言えない 「 間 」 のある読み物になっています。
脚本家の三谷幸喜サンと13人の女性との対談集ですが、人見知りで恥ずかしがりやでシャイで・・・、
そんな三谷サンの人柄が伝わってきます。
その大切な 「 場の空気 」 のようなものを感じるのは 「 間 」 のせいだと思います。
途切れる会話、重苦しい雰囲気、呆然とするゲスト、焦る三谷、対談の雰囲気を手に取るように感じる
ことができるのも、戯曲集のように書かれた文体によるものです。
元フジTVの八木亜希子さんに始まり、12人の女性たちとの対談を経て、14番目も同じ八木さん。
最初のときに比べれば、後半はそれなりに対談上手になってはいますが、それでもぎこちなさは抜けず、
読み手も息詰まるような感覚になります。
微笑ましいと言えば微笑ましいし、これが三谷流の仕掛けといえば仕掛けなのかも知れません。
【2010(平成22年)2月23日 読了】