秋田県大仙市刈和野の大綱引き。
太鼓の演奏と手踊りがしばらく続いていましたが、午後7時になると、何やら外で威勢のいい叫び声が
聞こえてきました。

本部 ( 招待席 ) の2階から見下ろすと、右側が上町 ( 二日町 )、左側が下町 ( 五日町 )に
なります。
上手、下手、それぞれの端から、数人の若者が大声を上げ、キバ提灯を掲げながら、中心部に向かって
歩み寄って来ます。しばらく睨みあっていたかと思うと、そのうちの一人が叫びながら駆け出しました。

上町から一人、それに呼応するように下町からも一人が、真ん中に向かって駆け出します。
若者の中には上半身裸の人もいました。外気温は氷点下だったと思いますので、相当寒いはず。
少しは酒が入っているのかも知れませんが、それにしても・・・「 若さ 」 ですね。
全速力で、声を振り絞って、両手を拡げて、駆け出した二人は、会場の真ん中で・・・・・
ヒシッ!!と抱き合います。
そして抱き合ったまま、グルグル、グルグル、回り始めました。
掛け声のように聞こえるのは 「 ジョヤサ! ジョヤサ! 」 と叫んでいるようです。

「 若い男二人の抱擁ダンス 」 めがけて、双方から次々に若者たちが同じ動作を繰り返します。
あっ!というまに、「 若い男達のかたまり 」 ができます。
激しい 「 押しくらまんじゅう 」 みたいなものですね。
正式には 『 押し合い 』 と呼ばれる儀式で、雄綱と雌綱のどちらを先に前に出すかを競うものだ
そうです。綱引き開始前の準備運動のようにも見えます。