
原爆死没者慰霊碑の石室前面には、「 安らかに眠って下さい 過ちは 繰返しませぬから 」 と
刻まれています。
この文章は、自身も被爆者である雑賀忠義広島大学教授( 当時 )が撰文・揮毫したものです。
この 「 過ち 」 は誰が犯したものであるか、については、建立以前から議論がありました。
広島市長は「 原爆慰霊碑文の『 過ち 』とは戦争という人類の破滅と文明の破壊を意味している 」
という議会答弁しています。

この表現の意味を正確に伝えるために、各国の言葉で綴った碑文が並んでいました。
これはフランス語(たぶん)の碑文。

これは英語です。
ペンキをかけられたり、傷をつけられたり、思想的な背景があったりなかったりの悪戯事件も
何度かふりかかった慰霊碑。
「 原爆 」 という人類史上例のない惨禍に見舞われた広島の、複雑な事情を垣間見る思いでした。