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 『 さすらいびとの子守唄 』 北山 修著、角川書店。昭和46年(1971年)に出た本です。

 たぶんリアルタイムで買って読んでいたはず…。

 当時の私が、内容をどこまで理解していたかは定かではありません。北山 修のひとりごとのような

つぶやき集ですが、内容はかなりハイレベルで哲学的な文章が連なっています。

 【 いつまでも「自由に」、そしていつまでも「子供のように」、生きることのできるように祈って

 いる。 】(「わけのわからないあとがき」より)

 このへんが実は北山の本音なのかも知れませんね。あれから、かれこれ40年。ここらでもう一度

じっくり読み直してみることにします。


 精神科医である北山が、先日逝ってしまった加藤和彦さんについて、こんなコメントを出して

いました。

 【 死んだ加藤和彦には、二人の加藤がいたと思う。一人はミュージシャンであり、舞台の前面で
 
 演奏するアーティスト。そして、もう一人は、その演奏を厳しく見つめて批評する加藤である。

 ・・・( 中略 )・・・彼の自死は、自らの人生という「 作品 」について、もう一人の加藤和彦が

 あまりに厳しくて、自分で自分を追いつめた結果、こういう結末になったのだと私は考える。 】

 精神科医らしい、北山 修らしい、冷静で客観的な分析だと思います。そして、的を得ているような

気がします。とはいえ、やはり、加藤和彦さん・・・早過ぎました。( 合掌 )