入院中の「 唯一の楽しみ 」は食事の時間です。
朝7時半、昼12時、夜6時。何もしなくても、腹だけは順調に減ります。
毎日ほぼ決まった時間になると、廊下からガラガラという音がして、食事を乗せたワゴンが、
看護師さんに曳かれて来ます。条件反射的に、口の中にはよだれが…(笑)。
その時間の少し前には「 お茶 」が配られます。ポットに入れたお茶をワゴンに乗せて、病室を回り
ながら各自のコップに注いで行きます。「 冷たい 」か「 熱い 」かを選べるのですが、何と!、
「 選べる 」のは、このフロアの特権でした。他のフロアでは「 お茶 」=「 熱い 」のみ。ここの
フロアは小児科があるので、選べるようにしてあるとのこと…。私はいつも「 冷たいの! 」。

ある日の夕食です。
「 鮎の塩焼き 」「 揚げ出し豆腐 」「 枝豆 」「 わかめごはん 」「 味噌汁 」
どう見ても「 晩酌メニュー 」ですよね。「 ごはん 」と「 味噌汁 」の代わりに「 生ビール 」と
「 熱燗 」があれば、立派な「 晩酌セット 」の誕生です。

配膳用ワゴンです。これが、なかなかのスグレもの。
ちょっと分かりにくいかも知れませんが、扉は観音開きになっていて、内部の真ん中に仕切りが
あります。仕切りの左側は「 暖め 」、右側は「 冷蔵 」になっています。

仕切りの左右を別々に「 暖めたり 」「 冷たくしたり 」できるように、調整スイッチがあります。
つまり、ここの病院食、「 暖かいものは暖かくして・・・、冷たいものは冷たくして・・・」という
料亭のような心配りがされていました。
もしかすると、現代の病院は、これが当たり前のことなのかも知れませんが、私には少々驚きでした。
“ ここまで、する必要が本当にあるんだろうか? ”と思う反面“ ありがたいな ”と思いつつ…。
さらに驚いたのは、ある日の午後のこと…。
見慣れない3人の男女が病室へ入って来ました。白衣を着ているので、一見看護師風。
“ 栄養士ですが、食事に関してご不満やご意見はございませんか? ”ですって! wao !
病院も『 患者満足度 』向上に日夜取り組んでいるんですね。
時代は変わったもんです。