人は、いろんな「 音 」を出します。

日中でも、6人いるとは思えないほど、しーーーーんと静まり返った病室。
前払いカード挿入方式のテレビ、自前のラジオなど、音の出るものはイヤホン使用が原則です。
( ただ中には、外へ音を出している人もいました。)
( それが気になったんでしょう、音を出している人に、注意している人もいました。)
家族が来たとき、お見舞いのお客が来た場合は、ヒソヒソ話をしない限り、会話が部屋中に聞こえ
ます。たぶん、周りにそんなに聞こえているとは、意識していないと思われますが・・・。

それが夜になると、ますます「 静寂 」が訪れます。
外の音、病棟内の廊下の音、などがほとんど無くなるせいです。
極端に言えば、「 衣擦れ 」の音まで良く聞こえます。

そうやって、聞くでもなく聞いてしまうのが「 他人の音 」。
人間って、ホントいろんな「 音 」を出すものですね。
体の中から出る音だけでも「 上から 」や「 下から 」。これも6人もいれば、ひっきりなしに出て
いるようなものです。
このほかに、動けば動くたびに音が出ます。何かを食べたりしたら、何を食べているかだいたい
分かるほど・・・。
ひとりでベッドに横たわり、じっと天井を見上げてばかりいると、こんなそんな「 音 」にやたらと
敏感になるし、音ほど「 想像力をかきたてる 」ものがないことが分かります。
“ あぁ、きっと煎餅を食べているな! ”
“ むむっ!お腹の調子が悪いのかも・・・? ”
などと、「 しょうもない 」&「 したくもない 」&「 してしまう 」想像をしていました。