京都太秦《 廣隆寺 》。

 《 南大門(仁王門) 》をくぐって参道の右側に《 講堂(赤堂) 》、正面に《 本堂

(上宮王院太子殿) 》、その奥の《 新霊宝殿 》に《 弥勒菩薩半跏思惟像 》が祀られています。

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 《 廣隆寺 》は《 聖徳太子建立の七つの寺 》のひとつと云われています。

 日本書紀に書かれた「 秦河勝が聖徳太子から仏像を賜り、それを御本尊として建立した 」との記録

も残っているそうです。

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 《 弥勒菩薩半跏思惟像 》は我が国の国宝指定第一号。

 飛鳥時代の作で、右手を軽く顔に触れるような仕草、ほのかに笑っているように感じられる表情、

やせ形で柔和な体型、右脚を左脚の上にあげた姿…、飽きないですね、いつまで見ていても。

 「 一切衆生を如何にして救おうかと考えている 」姿だと云われています。

 ロダンの「 考える人 」は、もっと深刻で「 力強く悩んでいる 」感じ、《 弥勒菩薩 》は、それに

比べれば相当柔らかくて優しい雰囲気です。

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 《 廣隆寺 》の境内は決して広くありません。

 京の街の他の名刹に比べたら、かなりこじんまりした境内。

 それでも、苔むした庭、人混みのない静かな庭、《 弥勒菩薩半跏思惟像 》が見渡しているような

静かで趣のある雰囲気たっぷりの、ここも「 名刹 」といえます。