『 禁じられた遊び 』1952年公開、監督;ルネ・クレマン、主演;ブリジット・フォッセー。
私の生まれ故郷に、本当に今にも崩れそうな映画館がたったひとつだけあって、高校時代にこの
映画を男女混合の友人たちで観に行きました。
どうしても観たいとか、内容をよく知っていて、とかではなく、単に「 有名な映画 」だったから。
つまり中身もよく知らずに観たわけで、映画が終わったあとは自分も含めてみんな涙目…。なんかこう
どう会話を拡げていいか分からず、微妙な雰囲気になったことを思い出します。
主役の二人はさておき、男の子(ミシェル)の父がいいですね。あの荒々しさ、猪突猛進型の田舎の
農民のキャラクターがよく出ています。彼がいるからこそ、「 十字架遊び 」が際立って来るような
気がします。
もう一人(一匹)は「 村長 」という名の「 フクロウ 」。
これは対照的に「 静 」の存在感が出ています。
水車小屋の番人の風格。「 何事もお見通し 」「 何があっても動じない 」その「 お姿 」が
いいですね。
何回観ても、ラストで、叫びながら人混みの中に消えていくポーレットの姿には、ウッ!と
こみあげて来るものがあります。