プラハ観光の目玉とも言える「 カレル橋 」をいよいよ渡ります。
モルダウ(ヴルタヴァ)川に架けられた最古の石橋。14世紀半ば、カレル1世の命令で建設が始まり
完成まで約60年の歳月を要しました。全長約500m、幅約10m の堂々たる姿です。
この橋は、今でもプラハの公式行事(裁判、馬上試合、戴冠式など)が行われる場所。とりわけ有名
なのは、橋の両側の欄干に立ち並ぶ「 30体 」の聖者の像です。

キリスト教の聖人たちの伝説が様々な像で表現されています。

曇天の空に、逆光のためシルエットのように浮かび上がる聖者の像の数々。
橋の下を悠々と流れるのは「 モルダウ川 」で、川船が流れを遡って、ゆっくりと進んで行きます。
橋の上を歩く人もあちこち眺めながらゆったり、川の流れもゆったり、川を上る船もゆったり、
そんな風景を眺めていると・・・またぞろ脳裡には「 スメタナ 」の「 モルダウ川 」が流れて来ます。

30体ある聖者の像。その中には、かの「 聖フランシスコ・ザビエル 」の像もあります。右側の
列の26番目。橋の上に並ぶ彫刻の列を左右順番に見て行きます、まさに露天のギャラリー・・・。

そんな像の中で、最も人が集まっているのは、左側8番目の「 聖ヤン・ネポムツキー 」の像。
カレル橋に最初に置かれた像で、唯一のブロンズ像。皇帝を諫めるような進言をしたため、この川
に突き落とされて殉教した聖人。チェコでは最も尊敬され親しまれている聖人です。
像の台座の正面に「 殉教の図 」が浮き彫りになっており、そこを触ると幸せになれるという
言い伝えがあります。それで、この前を通るほとんどの人が行列を作って「 触ろう 」とします。
みんなで触るため、そこだけが金色に輝いているように見えます。