先日BS-NHKのドキュメンタリーを総合チャンネルで再放送していました。
「1989からの出発」というサブタイトルが付いていて、チェコのビロード革命の話が主体です。
チェコからは遠く離れた日本にいると、○○総理ではありませんが、今でも「チェコスロバキア」
と言ってしまいそうになります。でも、このドキュメンタリーを見ていると、ヨーロッパ東部の奥に
あるスラブ系民族の国チェコにも、激動の歴史があったことが分かります。
そして、こうして私がチェコに関するブログを書き込んでいる「いま」も、チェコでは様々な事件
やニュースが起こっています…日本で報道されないだけで…。世界中で起きている様々な出来事のうち
私たちが知っていることは、ごくごくほんの一部にしか過ぎない。そんな当たり前のことが、あの中欧
の旅で痛感させられました。
旅日記を続けます。

プラハ城から徐々に下って、旧市街に降りて来ました。
石畳の車道、ほとんど段差のない石畳の歩道。道は狭いのですが、車は普通に往来しています。
周りは「何様式」なのかは分かりませんが、見るからに「中世風」の建物ばかり。車がなければ
何百年か前にタイムスリップしたような景色です。日本のようにゴチャゴチャした感じがないのは、
電柱と電線がないことが一番の要因かも知れません。他にもちろん、建物の保存状態や、派手な看板
のないこと、街並みに統一感が保たれているという理由もあります。

ときには「アーケード」のような道もありました。
ヨーロッパの街は、ある意味どこでもそうなのかも知れませんが、建物の1階部分が店舗で、上階
は居住空間というパターンです。間口の狭い店の入り口、鉄のような扉、冬の寒さ対策なのか「穴倉」
みたいなお店の連なりでした。

聖ミクラーシュ教会は、18世紀にモーツァルトが演奏したことがあるという建物。
ヴルタヴァ川左岸のランドマークになっていますが、このあたりは歴史と風格のある建築物の宝庫。
建物のもう一つの特徴は「至る所に乗っかっている彫刻」です。
古い建築物がそのまま残っているだけでも、歴史を感じますが、その建物のあちこちに「彫刻」が
乗っかっています。ひとつひとつには、たぶんちゃんとした名前があって、由緒正しいものなので
しょうが、完全に日常生活に溶け込んでいます。
そこに「すごい彫刻」があるけど、当たり前のこと…てな感じでしょうか。
彫刻の他にも音楽や絵画などなど「芸術」が「日常」と一体化しています。
どちらかというと「芸術」は「非日常」という日本とはエライ違いがありました。