1966年のリリース。私は70年前半に買ったはずです。あれから40年・・・、いま聴きながらコレを
書いていますが、色褪せることはありませんね。
デビューアルバム『水曜の朝、午前3時』が鳴かず飛ばずで話題にもならず、ポールはイギリスへ
渡ってドサ回りをしていました。ガーファンクルはコロンビア大学で学業に専念。
そんなときにボストンの名もなきDJが「サウンド・オブ・サイレンス」を取り上げたことがキッカケ
で、ハーバード大学などの学生を中心に関心が高まっていきます。そもそもS&Gが世に出ることに
なったこんな理由は、今では伝説として語られるようになりました。
ヒットの予感を感じた当時のプロデューサーが、二人に無断で、アコースティック曲だった
「サウンド・オブ・サイレンス」にベース、ドラムス、エレキ・ギターをオーバー・ダビングして、
パワーアップさせたバージョンを発売、これが1965年暮れ~翌年にはチャートの1位になります。
65年はディランが『追憶のハイウェイ61』を夏に発売した年。突然エレキ・ギター片手にニュー・
ポートのステージに上がり、観客の大ブーイングを浴びても、くじけなかったディラン。フォーク・
ロックという新しいジャンルの幕開けとなった年に、S&Gもたまたまその流れに乗ったことに
なります。
バタバタで作ったわりには、良く出来たアルバムだと思います。
中に1曲だけインストゥルメンタル・ナンバーで「アンジー」という曲が入っており、この曲だけ
がポールの作品ではありません。アルバム全体からしても異色の曲ですが、何故か耳に残ります。
「ブレスト」は宗教と偽善、「リチャード・コリー」と「とても変わった人」は自殺がテーマ。
「4月になれば彼女は」で彼女は8月に亡くなります。唄っている歌詞は相当重い内容なのに、ガー
ファンクルの透き通った歌声で助けられている部分があったような気がします。とくに日本では・・・。
いずれほぼオリジナル曲で固められたアルバム。次の「パセリ・・・」へと繋がって行く、大切な1枚
になっています。