「じゃぁね!友達が迎えに来たから、また後でね!!」
“ まぁ友達の赤ちゃんカワイイ!男の子だね!3ヶ月くらいかぁー!貴女もいつか・・・ ”
「婚活しろってぇ?ハイハイ!」
『別に婚活急ぐ必要もないでしょうに・・・!じゃぁ、私らテキトーに時間潰して来るから、
3時にまたここで待ち合わせよう。』
「ハァーイ!じゃぁ、Tちゃんちへ行って来ます。」

“ いいねぇー赤ちゃんは。そのうち孫が出来るのかしら? ”
『3ヶ月くらいで、動けないうちが花だよ。男の子はとくにね。それにしても、ここの駅前、
人がいないね・・・』

“ 見るからに、駅前再開発ビルって感じね ”
『再開発して共同店舗かなんか建てたけど、採算が合わなくて閉鎖。今は幽霊ビル。全国共通で
ありがちなパターンだよ。ひょっとして高度化資金返済不能になってるかも・・・』
“ これから、どうする? ”
『まぁ、いつもの通りウラウラと・・・。風の吹くまま、気の向くまま・・・。』

“ 鶴岡からって、海も近いんだね ”
『湯の浜温泉。その昔は大温泉街で人が溢れていた所なのに・・・、今は誰も歩いていない。』

『後ろを振り向いても・・・誰もいない。どこに人がいるんだろう?旅館は成り立っているのかな?』
“ 深刻ね・・・。ホテル・旅館は装置産業だから、減価償却負担も大きいし、設備更新にはカネが
かかるし、団体客は来ないし、どうやって生きているの? ”
『キミイィー、いつの間にそんなに業界に詳しくなったの?とても主婦がしゃべるような内容じゃ
ないぜ!』
“ 誰かさんと25年も付き合っていれば、自然にこうなるのかもね。怖ろしいぃぃーーーー?!”