プラハ城の中心部に位置する「聖ヴィート大聖堂」、フス戦争の影響などで完成までに約600年を
要した建物は、随所に見どころがあります。

入って左手にある巨大な「大司教の新礼拝堂のステンドグラス」。アール・ヌーボォー風の色遣いで
他のステンドグラスとはまったく際立った存在感を示しています。仔細に見れば描かれたストーリーが
分かるのかも知れませんが、とにかく色彩の鮮やかさに圧倒されます。

試しに「座席」に座ってみます。
長さ100m以上、高さ30mあまりの大空間。明り取りの天窓、両側の芸術的なステンドグラス、側廊に
並ぶ礼拝堂。たぶん私が腰掛けたこの席でも、これまで数え切れない人たちが敬虔な祈りを捧げたはず
です。あまり「敬虔ではない」私でも、少しは「敬虔な」気持ちになりました。

中心部あたりから振り返ると、これまた巨大なパイプオルガンが見えます。
16世紀中ごろの建設だそうで、聖歌隊の礼拝堂の中にロココ様式の巨大オルガン(18世紀作)が鎮座
しています。
見上げているだけで、時の経つのを忘れてしまいます。
いつまででも、見続けていたくなるような眺め。心が静かに透き通って行くようでした。