
いまバックに流れているのは、
エマーソン・レイク&パーマーの「展覧会の絵」です。
1972年発売のこのアルバムは、
私が新しいステレオを買ったときに、
そのステレオの性能を試したいこともあって買ったレコードです。
部屋中に響き渡り、床を震わせるような大音量で、
何回も聴いていた想い出があります。
元になっているのは、もちろんムソルグスキーの同名組曲。
それがロックになれば、こんなにも劇的に変わるのか・・・と衝撃を受けました。
しかもメンバーはたった3人。
キーボード(シンセサイザー)、ベース、ドラムだけで、
どうすればこんな迫力ある音楽を創れるのか不思議に思っていました。
今になって思えば、キング・クリムゾンあたりから始まった
プログレッシヴ・ロックの新しい流れが、
このアルバムあたりで黄金期を迎えようとしていた時代でした。
でも周りの友人達にはプログレを聴いていることなど内緒。
マニアックで変なヤツに見られたくなかったからです。
ごくごく一部に好きなヤツがいて、たまにそういう話もできましたが、
ほとんどが自分一人だけの世界でした。
日中は大音量で周囲の白い目も気にせず、夜はヘッドフォンで聴き続け、
プログレッシヴという世界にも首を突っ込んで行くことになります。
クラッシックとロックを融合させるという想像もしなかった創造性に、
好奇心が激しく刺激されました。