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「日本酒は稲作文化の生んだ偉大な華」

という信念を貫いて闘い続ける蔵人の物語です。

埼玉県蓮田市の蔵元、

神亀酒造七代目の小川原良征さんが主人公。

造りの全量を純米酒に切り替え、

業界からの批判や

税務署からの圧力との闘いを続けた記録です。

あちこちに印象的な言葉がちりばめられています。

「欧米では酒造法を定めているのに対し、

日本では税金を取り立てるための酒税法はあっても、
酒の品質を問う酒造法がない。」

「個性的な酒造りをしていかないとだめだ。

個性的である限りは、お互いは競争相手ではない。
個々に生きていける。」

「研ぎ澄まされた人材を育てていきたい。

機械は導入したときから壊れ始めるが、

人は蔵に入った時から育つ。」

大吟醸酒を一升瓶ごとやかんで燗をつける、

という大胆な呑み方もする小川原さんの一挙一動。
日本酒に賭ける蔵人の執念を感じる本です。

日本酒にもワインのような地域性・特性がもっと出てきて、

個性が強くなればなるほどファンが増えるはず。

なかなか冒険できない業界ですが
そろそろ革新が必要だと思います。