故緒形拳さんの遺作となったドラマ「風のガーデン」のメイキング本です。
シナリオの倉本聰、出演の中井貴一、黒木メイサ、神木隆之介、
プロデューサーの中村敏夫はじめスタッフや地元の医師など様々な人が、
ドラマやテーマについて語っている・・・ただ一人緒形拳さんを除いて。
倉本聰脚本のドラマは欠かさず見ており、
ほぼ同時にシナリオ本も買っています。
おそらく我が家の本棚には倉本の過去のシナリオ、
エッセー等々ほとんどが揃っていると思います。
ドラマ「風のガーデン」はとても重いテーマを持っていました。
生と死、家族、男女、医療などを絡めて
「人は最期にどこへ還るのだろう―――。」というものです。
とくに終末医療(ターミナルケア)の問題は、
年老いた両親を持つ私にとって身に沁みる問題でした。
「癌で死ぬのはいいですよ」とサラリと言ってのける地元の医師。
癌は強烈な痛みを伴うそうですが、
今の麻酔医療でそのほとんどを取り除くことができます。
そんなに苦しまないですむ。
自分でだいたいの時間を決めることができるから、
生き方と逝き方の整理ができます。
また黒木メイサは
「花も動物も人間も、地球に存在する生きているものは
どこかで終りがくる・・・(中略)・・・だからこそ毎日を後悔しないように、
明日やればいいやとかじゃなく、
(今を)充実して過ごしたい」と語っています。21歳の女性の言葉です。
突然退職を決断し、好き勝手に翔び始めて丸3ヶ月が過ぎました。
毎日毎日が後悔しない日になっているか、
もう一度胸に手を当てて考えさせられました。