京大・阪大英作、和文和訳の技法
<本日のテーマ> 一般のYouとWe、と <連体修飾語>の処理方法
<課題>
次の日本文の赤の部分に注意して訳しなさい。
孤独からぬけ出ようとして、友だちを求めると、注意しなければならないことがある。
それは、友だちに過大な夢や期待をもってはならないということであるお互いがもともと見ず知らずの人間どうしなのだから、友人のすべてがわれわれに理解できるものではない。理解できるのは、ある側面だけである。だから、たとえ少しでも理解できた側面を大事にし、そこからわれわれの友情は出発していくべきである。友を過大評価して自己を全部友人に投影、自分の思い通りになるとは考えないことである。
<T君訳例>
So you treat the aspects importantly that you can understand, even if not many aspects, and you should start to develop our friendship from there.
<一般論のyouとwe>は本当に注意すること!
T君は訳例から言えること。T君は訳す前にこの課題文は一般論を述べている、と理解した。したがって、「あなた」も「私」も一般的に言えることはyouを使うという認識を持っていた。だから出だしはyouで始めた。しかし、途中で日本語の「我々の友情」でour friendshipと書いてしまっている。日本語は<対象+我>という構文、言い換えれば<対象+主観的判断・心情表現>という構造であるため、英語では出てこないようなところで「私」や「我々」が頻出する。これは十分心得ておかなければならない。T君はがんばったが、ここまでは注意が行き届かなかった。ourはyourにすべきところである。
<連体修飾語の処理>
今回の主テーマからはずれるが日本語の<連体修飾語>は関係代名詞節にする必要はない、ということを説明しておく。もちろん関係代名詞節でもうまくいくときがあるが、<連体修飾節>=関係代名詞節という発想はやめて次のような和文和訳ができるようにしよう。
Step1 日本文から主語と目的語を引き出す。
このとき、日本語の「側面」などと引きずられる必要はない。また「理解できた側面」をaspects that you can understandとする必要もないことを知っておくと和文和訳にぐっと幅が出てくる。
この日本文は、「相手を理解する」「相手の言うことやすることが理解できる」と解釈すればよい。
「たとえ少しでも理解できた側面を大事にし」
この部分は、前文から考えると、この文は次のように和文和訳できる。
→ たとえあなたが相手の言っていることや、やることを少ししか理解できないとしても、あなたはそれを尊重すべきである。
Even if you can understand only some part of what he says or does, you should think much of it.
「そこからわれわれの友情は出発していくべきである」
→あなたはそれを基にして友情を築くべきである。
You should develop a friendship based upon it.
Step 2 まとめてみる。
訳例を作ってみれば次のようなものが一つ考えられる。
Therefore, even if you can understand only some part of what he says or does, you should think much of it, and develop a friendship based upon it.
<本日のテーマ> 一般のYouとWe、と <連体修飾語>の処理方法
<課題>
次の日本文の赤の部分に注意して訳しなさい。
孤独からぬけ出ようとして、友だちを求めると、注意しなければならないことがある。
それは、友だちに過大な夢や期待をもってはならないということであるお互いがもともと見ず知らずの人間どうしなのだから、友人のすべてがわれわれに理解できるものではない。理解できるのは、ある側面だけである。だから、たとえ少しでも理解できた側面を大事にし、そこからわれわれの友情は出発していくべきである。友を過大評価して自己を全部友人に投影、自分の思い通りになるとは考えないことである。
<T君訳例>
So you treat the aspects importantly that you can understand, even if not many aspects, and you should start to develop our friendship from there.
<一般論のyouとwe>は本当に注意すること!
T君は訳例から言えること。T君は訳す前にこの課題文は一般論を述べている、と理解した。したがって、「あなた」も「私」も一般的に言えることはyouを使うという認識を持っていた。だから出だしはyouで始めた。しかし、途中で日本語の「我々の友情」でour friendshipと書いてしまっている。日本語は<対象+我>という構文、言い換えれば<対象+主観的判断・心情表現>という構造であるため、英語では出てこないようなところで「私」や「我々」が頻出する。これは十分心得ておかなければならない。T君はがんばったが、ここまでは注意が行き届かなかった。ourはyourにすべきところである。
<連体修飾語の処理>
今回の主テーマからはずれるが日本語の<連体修飾語>は関係代名詞節にする必要はない、ということを説明しておく。もちろん関係代名詞節でもうまくいくときがあるが、<連体修飾節>=関係代名詞節という発想はやめて次のような和文和訳ができるようにしよう。
Step1 日本文から主語と目的語を引き出す。
このとき、日本語の「側面」などと引きずられる必要はない。また「理解できた側面」をaspects that you can understandとする必要もないことを知っておくと和文和訳にぐっと幅が出てくる。
この日本文は、「相手を理解する」「相手の言うことやすることが理解できる」と解釈すればよい。
「たとえ少しでも理解できた側面を大事にし」
この部分は、前文から考えると、この文は次のように和文和訳できる。
→ たとえあなたが相手の言っていることや、やることを少ししか理解できないとしても、あなたはそれを尊重すべきである。
Even if you can understand only some part of what he says or does, you should think much of it.
「そこからわれわれの友情は出発していくべきである」
→あなたはそれを基にして友情を築くべきである。
You should develop a friendship based upon it.
Step 2 まとめてみる。
訳例を作ってみれば次のようなものが一つ考えられる。
Therefore, even if you can understand only some part of what he says or does, you should think much of it, and develop a friendship based upon it.