せっかく正月だから、お餅が食べたいと日本食の蓄えの中に何かないかと探していたら、密封されたおしるこが出てきた。おととしの冬に、母が送ってくれたものだ。お餅がないし、おしるこはあまり好きなほうではないから残っていたのだ。
賞味期限が2005年10月13日になっている。うーん、2ヶ月すぎている。
ただ、日本にこの冬帰らない身としては、白玉粉の粉もあるし、おしるこが恋しい。
結局、白玉を作って、ルームメイトと食べてしまったが、おなかの調子は今のところ大丈夫である。

アメリカにいると(特に田舎だと)、賞味期限の切れた日本食とにらめっこすることが多々ある。
日本の食べ物を売っているところでは、平気で賞味期限の切れたものを売っていたりする。
そこで、この知っているようで知らない賞味期限について辞書で調べてみた。

賞味期限とは、加工食品を包装状態のまま所定の環境に置いた状態で、安全性や味、風味等の品質が維持される期限を示す日時である。衛生面よりも品質を問う部分に依存するため、主に長期間衛生的に保存できる加工食品に用いられる、とある。

結構、「包装状態のまま」という部分を無視している人がいるのではと思うのは私だけだろうか?あけて食べるために買うのだから、あけないままでどのくらいもつのかなんて知る必要がない気がするが?

アメリカではこれまた不思議なことに、賞味期限はShelf Lifeといい、”Sell by"という表示が使われる。
たとえば、パンを買いにいったら、パンに”Sell by Jan 1"などと書いてある。これは消費者のことを考えているのかと思ってしまう。なぜなら、賞味期限が切れるまでに売れ、といっているからだ。
賞味期限が切れるまでに食べるのがベストなのだから、”Eat by"とか”Consume by"にすべきではないのか?
アメリカの牛乳、豆腐、タマゴの賞味期限はちなみに1ヶ月と長い。長いくせに、賞味期限が来る前に牛乳は腐ったりする。そりゃ、包装状態のまま1ヶ月持つということだから、飽けたら腐るに決まっているといわれるかもしれないが、日本の牛乳は少なくとも賞味期限内に腐ることはないきがする。

他に、消費期限というのがある。製造日を含めて概ね5日以内に急速な品質の低下が認められる食料品に用いられ、この場合期限がすぎれば、食の安全性に問題が発生するというものだ。生鮮食品や、細菌によって変質しやすい生の加工品(コンビ二弁当など)に使われるようだ。アメリカではExpiration dateというらしいが、あまりお目にかかったことがない気がする。まあ、野菜や果物をパックに入れずにそのまま売っているし、コンビニで弁当など売っていないからだろうが。

とにかく、胃の弱い身にとっては、賞味期限を調べるのは必死だが、空けた場合殿くらいもつのかも書いて欲しいものである。

葉酸(Folic Acid)という物質を聞いたことがあるだろうか。
主に緑野菜や柑橘類に含まれるもので、先天異常の子供が生まれるのを防止する役目を果たすことがわかっている。
多分唯一先天異常防止としてわかっている化学物質であると思う。

先週、葉酸に関するシンポジアムがあった。
アメリカでは野菜嫌いさんが多いので、葉酸を十分に取れていない妊婦さんが多くいたため、
政府はアメリカ人がよく食べるパンなどに、一定の量の葉酸を加えることを義務付けた。

日本では野菜は多分沢山とられているから心配はないと思うが、
食文化や生活習慣の違いで、主な病気が違ってくるのは興味深い。
日本で一番一般的なガンは胃がん、大腸がんなどである。乳がんなどはまれであり、あまり話題に上ることはない。
ところが、アメリカでは胃がんは珍しく、大腸がんと乳がんが一般的である。
この違いを食文化の違いと考える人は多い。
胃は食べ物が消化されるところであり、日本人は胃がんになるようなものを食べていると考えられる。

日本人がアメリカ人と比べてダントツに食べる量が違うのは魚である。
魚は今かなり問題になっている。
アメリカでは妊婦さんは魚(特にサケ)を控えるよう政府から言われている。なぜなら、魚がトリブチルスズなどの重金属や、PCBなどの殺虫剤などで汚染されているからである。特にサケは食物連鎖の上のほうに位置し、これらの汚染物質を蓄積している。
アメリカ人は魚を食べるといっても本当に日本人の食べる量の比較にもならない。
私は日本にいたころは一日おきに魚を食べていた。父が買ってくる刺身などを加えるとほぼ毎日食べていることになる。汚染された魚を食べると先天異常のこと もが増えたり、生殖器の異常などが現れたりする可能性があるが、いったい日本の政府はこれをどの程度の重みでとららえているのだろうか。

日本に帰ったとき、魚好きの父は相変わらず刺身や煮魚を食べていたが、私には将来があるんだからといってあまり魚をすすめなかった。ある程度、魚が汚染されていることは一般に知られてはいるようだが、
アメリカ政府のように、摂取量を制限したりすることはまだないだろう。漁業に与える影響は計り知れないし、
日本人から魚を取り上げることは、これまでの文化を見ても難しい。

フグの特産地であり、魚がおいしいところで育った身としては、自分から魚を食べるという楽しみを取られることは想像できない。一人で屋久島へ行ったとき も、朝早くにおきて朝一番でつれた魚をさばいてもらい、宿に帰ってひたすら刺身を食べた。今は魚を食べるたび、本当に食べてもいいのか、食べないほうがい いのではないかという考えがよぎり、心から魚を食べるということを楽しめないでいる。

今年初めてアレルギーという物を経験した。
突然のどが痛くなって鼻水がでるので、風邪かと思ったが一向に風邪薬が効かない。
1週間、2週間、3週間たっても一向に直らないので、ついに病院へ行ったら
アレルギーだと思うからと、クラリトンという薬を買い、1,2日飲んだが、よくならない。
あせってまた病院へ行ったら、効き目が来るまで時間がかかるのだといわれ、
しぶしぶ高い薬を飲み続けたら、いつの間にか引いていった。
そのとき、家を掃除したらよくなるかと思い、掃除機をかけたらくしゃみがとまらなくなった。
きっとダストか何かのアレルギーなのだと思ったが、治ってからは掃除機をかけても平気である。

一昨日、突然学校でくしゃみがとまらなくなり、頭が痛くなって喉と鼻がやられたので、
風邪かと思い、アスピリンやアドビルを飲んだが、一向に効かない。
もしやと思い、アレルギーの薬を昨日のみはじめた。

アメリカには何かしらのアレルギーを持っている人が多いように思う。
猫、ダスト、私の実験室には特定の化学物質にアレルギー反応を示す人さえいる。
アレルギーというのは基本的に体の中の異物を認識する反応であるが、
相当体に危険なもの以外にアレルギー反応が出るのはなぜかと思ってしまう。
別に猫の毛が多少体に入っても死ぬことなどないだろうに。
結局、そのもの自体が毒かどうかは関係なく、体が反応することで、本人が苦労するのだ。


ベンゾaピレンという化学物質がある。その物自体は毒ではないが、体の中で反応してできたものが
ガンを引き起こす。

普通に考えて、体は毒を無毒化したり、毒を体の外に出すために働きかけるものだと思っていたが、私達の体はそこまでうまくはできていないらしい。

みんながみんな、アレルギーを持っているので大したことないのかと思いきや、
鼻水が止まらず、頭が痛くて喉がかれ、何もする気になれない。
アレルギーを侮ってはならない。
アイビーは小さいからなのか、かなりのさびしがり屋でなかなかパソコンに向かえる時間がない。

環境ホルモンは、皆さんご存知の通り、一昔にとても話題になった。マスコミが人間の精子の数が減っているだの、小学校の給食に使われるプラスチックから環境ホルモンが溶け出るだのといわれたのを記憶にとどめている人もいるだろう。

環境ホルモンという名前は一般的に呼ばれている名前で、本来は外因性内分泌攪乱物質などと呼ばれる。
理由はもちろん、人間の中にあるホルモンと同じような働きをしたりして、ホルモンの働きをかく乱するからである。
環境ホルモンは何種類あるのか?まあ、そんなことは誰にもわからないが(5万から7万の化学物質が生産されているのだし)、はっきりわかっているもので1998年に環境省が出したリストには67種類が記されている。
これらの多くは、農薬、殺菌剤、プラスチック可塑剤、界面活性剤の原料、船底染料、医薬品原料、天然ホルモン、植物ホルモン、重金属などである。

これらを3つに分けると
1.女性ホルモン擬似作用が疑われるもの (ノニルフェノール、ビスフェノールA,DDT,PCBなど)
2.男性ホルモン阻害作用が疑われるもの (DDE, ビンクロゾリンなど)
3.女性ホルモン阻害作用が疑われるもの (ダイオキシン類、トリブチルスズなど)
となる。

ここで自分の話になるが、私が環境に興味を持った理由は、白状すればこの環境ホルモンやダイオキシンが騒がれたためであった。
フロリダのアポプカ湖に住むワニのペニスが小さくなったとか、イボニシ貝にオスとメス両方の性器が見られた(インポセックス)などが騒がれ、テレビでやっていて、私は人間はなんということをしているのかっ!と思ったものであった。

だが、実際の所はどうなのだろうか?
サイエンスの世界に入ると、どれだけ科学者の出す結果が足場のしっかりしないものかがわかる。
私の働くラボの向かい側にDr.Safeの実験室がある。彼は、ダイオキシンや環境ホルモンの研究でかなり有名だが、何故有名かというと、環境ホルモンが人間に影響を及ぼすというその関連付けに疑いを抱いている一人であるからである。そしてジャーナルをバンバン出す仕事中毒の教授である。
結構有名なジャーナルに、インタビューで彼のコメントが載っていたりするが、それは環境ホルモン反対派(?)の代表みたいな感じで載っていたりする。しかも彼は、フロリダのワニのペニスの縮小化を見るために呼ばれたそうである。

私は彼のところで少し働いた。環境ホルモンについての研究をしたかったからである。
ところが、彼は反対派であるうえ、最近は、乳がんにより興味を持ち、環境ホルモンから手を引きつつある。
実際、授業を受け、文献を調べるうちに、環境ホルモンであるという確証のある物質(動物実験で確立されているもの)はほとんどなく、関連性も薄かったりするものも結構あることがわかった。
当時騒がれた理由としては、きっとそういうショッキングなニュースが受けると思ったマスコミの手であったのではないかと思えてくる。
しかも、皆さんは騒がれた当時と比べ、今はダイオキシンの量が無に近いほどに押さえられていることを知っているだろうか?

もちろん関連があり、体内のホルモンを乱すということがわかっている物質もある。
なので一概には言えないが、環境ホルモンから身を守る手段はあらゆるところで行われており、当時騒がれたように主の絶滅などということはありえないのは明らかである。

あまりまとまりがないが、眠いので今日はここら辺で。

ああ、毒の話をしたいのに、頭がアイビーのことでいっぱいだ。
30くらい名前のリストをあげた上で彼を見て決めた。
名前を考えてくれた(?)方、、、、ありがとう。
アイビーというのはポイズンアイビー(毒がある植物で、触ると触ったところが膨れ上がる)からとった。
もちろん毒をやる私にぴったりだし、でもそれは植物学を今学期とっているルームメイトが決めたものだ。

早速だが、生活がひっくり返るような生活が始まった(というか実際ひっくり返る)。
ブリーダーの所にいたときは、食べ物が常におきっぱなしだったらしく、
うちに来た土曜の夜からほぼ一日、ピーとプーを2時間おきくらいのペースでした。
そんなことされたら、学校も仕事も行けないじゃないか!
しかも2人で(ルームメイト)家を30分空けたら、その間中泣きまくり、ほえまくりで、プーはするわ(Cageにいれていたが)水はひっくり返すわ・・・。

まあ、2ヶ月とあまりに小さいし、来てすぐだから別の部屋に行くだけで泣かれるのもやむをえないとは思うが、夜中もトイレ指導に遊び相手に、いきなり寝不足だ。

日本にいた時、シベリアのサモエド族が飼っているというソリひき犬、ダンディー(つっこまないで)を飼っていた。ありきたりだが、弟と両親に絶対飽きずに世話をするからという条件で飼い出した真っ白い中型の大型くらいの犬だった。
私が獣医になりたがった理由のひとつであったが、とりあえずダンディーが唯一今まで飼った犬であった。
結局、自分も沢山世話をしたつもりであったが、今アイビーの世話をして、母親がどれだけの労力をつぎ込んでしつけをしたかを思い知った。

最初の数日から数週間で、犬の今後の態度が決まる。
ほえたり、ソファーを噛んだり、ピーやプーを所かまわずするような犬にしてしまうのではという恐ろしい考えが始終頭を走る。子供を持つ親もそんなプレッシャーを感じるのだろうか?

アイビーは牧羊犬であり、頭がいいらしい。だからといって勝手におしっこを制御したりするわけではもちろんない。だが、奇跡的にもプーをまだカーペットの上でされていない。なぜか、新聞紙やピー吸収シートの上でちゃんとするのだ。
まだ一日2回の散歩ですべて用を足せるほど我慢ができたり理解ができる年ではないので、
犬用のおしっこトレーを買ってきた。1回のピーと1回のプーをする直前を捕まえ、トレーでさせて
激励しておやつをあげたところ、3回目は気配に気づいた私に追いかけられつつも、トレーにいき、
自分でしたのだ。

今日からいきなり学校へ戻り、9時から早くて5時まで一人にしておくわけにはもちろんいかない。
きっと一日中ほえまくってプーまみれになって(犬も家も)しまうのだろう。
そうなってはいつまでたってもしつけができない。
だからシフトチェンジだ。運良く、授業はもう先週で終わった。
だから仕事を3時から夜中の12時までに切り替えることにした。
そして3時から夜はルームメイトがみてくれる。
一人じゃどうにもならないことだ。

とにかく、きちんとしつけをして、幸せな生活をおくらせてあげたいものである。

今度からできるだけ毒の話に戻りたい。んー、そう、今度は環境ホルモンの話でもしよう。
日にちがあいてしまって申し訳ない。
突然だが、犬を飼うことにした。
犬の種類はミニチュアオーストラリアンシェパード。
日本にはあまりいないようだが、牧羊犬でありとても賢い、らしい。
ボーダーコリーみたいな感じだ。

今週末に家に来る彼の写真をここに載せる。

後、名前がまだ決まっていないので、ぴんと来た方は連絡ください。
Puppy

無理やり毒という言葉をタイトルに持っていったが、今日はどうしても医学の話がしたいのだ。


小さいころ、骨一本も折ったことがなかったので、いった病院といえば、歯医者くらいのものだった。

親戚に医者がいるわけでもなかったので、特に医学についての興味はなかった。


次第に大きくなり、ナホトカタンカー重油流出事故などでボランティアに行ったりして環境問題に関心が沸いてきた高校生のころあたりは、人口増加に伴う食料危機や石油などの危機などの話題が盛り上がっていた時だったので、医学が発展して人間が生きながらえることは人間の滅亡につながると考えたりした。人間が沢山死ねば、食料危機で死ぬこともないのではないかと。


そんな風にうまくはいかないものであると気づいてはいたが、実際に医学を身近に感じたのは大学院に入って毒性学を学ぶようになってからだった。前もいったが、毒性学は、医学と薬学につながっている。

前回出てきた植物毒のタバコであったって、そのものは毒で、どう体を犯すかなどは毒性学だがそれをどう治療するか、何を使って治療するかは医、薬学であろう。

実際授業でやることといえば、大抵物質汚染からくる癌である。アルコールを飲めば肝臓ガン、タバコをすえば肺ガン、どこへ行ってもガン。

医学といえば大抵、ガン、エイズ、BSEやアルツハイマーなどの脳の病気、それから糖尿病がメジャーである。


一昨日授業で15分ほどのプレゼンテーションがあった。
遺伝子組み換えマウスを作って特定の病気の解明に役立てるという仮プロジェクトについて話したのだが、どの遺伝子を組み替えるかは自分で決めてよかった。
教授が家族や親戚で持っている病気を取り上げれば、より親近感が沸くといっていたので
言わずもがな統合失調症についてやることにした。
知っている人は知っているが、すごく身近な家族でいるからである。


統合失調症を知らない方に説明すると、この病気は脳の病気だが、長い間(そして今も)病気の原因や治療法がわかっていなかった。当時5,6歳だった私は突然その発作が起こった家族の一員に恐怖を抱いたのはしょうがなかったと思う。なぜなら統合失調症の症状は、幻覚、幻聴、平坦な感情、感情の起伏の激しさ、そして他人や自分自身を傷つける可能性など、はっきりいって小さかった私には怖いだけの病気であった。それが最近になって再発した。日本に帰り、毎日のように病院へ行って気づいたことは、当たり前のようだが世の中に病気と闘っている人または闘っている人の家族の数は計り知れないということ。


そういうこともあって統合失調症についてのリサーチを始めた。
まず、遺伝要素が高いということ。しかし環境要因にもよるため、必ずしもそうでないこと。
一卵性双生児の場合、一人がその病気である場合、もう一人がかかる可能性は50%。片方の親がそうであった場合その子供がなる可能性は13%、そして兄弟がそうであった場合は9%。
病気には、たった1つや2つのはっきりした遺伝子が原因であるものと、いくつのもの遺伝子に環境要因が重なってかかる病気があり、後者の場合は研究にも治療薬の開発にも時間がかかる。糖尿病やガンなどがそうであるが、統合失調症も、かかわりのある遺伝子がいくつも発見されているが、どれをとってもその遺伝子を無くしただけで症状が現れるわけではないのだ。
統合失調症は1人に100人がなるといわれており、どの国や地域でもこの確率は変わらない。
患者の半数は自殺を図り、10-15%は実際に発作が起こってから10年以内に自殺を遂げる。
少し前までは、原因も治療法もわからず、かなり前は魔女狩りなどの標的になっていたと聞く。


ここ最近の医学の発展は目覚しい。統合失調症の治療薬も増え、その副作用もまだまだひどいが、以前よりはましになった。現在わかっていることは、統合失調症は脳内のドーパミンという神経伝達物質の多量分泌がかかわっているということ。それに加え、グルタメイトという神経伝達物質もかかわっていることが最近になってわかった。私が幼いころに発作が起こったときは、治らない病気のように言われていたが、今は社会復帰ができる人がだいぶ増えた。
ただ、リサーチをしていて、どれだけ症状の重い人がいるかも知った。聞こえるはずのない声が聞こえたり、見えないはずのものが見えたりする。自殺を図る。副作用がきつくて絶えられない。副作用のせいで何もできずに、ただ毎日を過ごす人がいる。それを考えると、私の家族のケースの場合はまだまだ幸福なほうであるといえると思う。


遠くの地に家族をおいて生活するということのつらさ。身近な人が一生たたかっていかなければならない病気を抱えるということ。初めて医学の発展に心から感謝した。もっと人が死ねば食糧危機を免れるなんて、自分や家族に死ねといわれても、そう簡単にはいかない。だからそんなことをしたとしても解決にはならない。こんな簡単なことも、恥ずかしながらいまさら気づいたのである。
家族や自分が健康であるということは何物にも変えがたいものであるなんて当たり前のように皆言うが、
まったくその通りだと痛感する。


毒やら自分のことを話しているが、いったい大学院でなんの勉強をしているのか?

基本的には先天異常の勉強である。
子供がお母さんのおなかの中にいる間に胎児に何らかの異常がおきる事。
アメリカでは千人に2~3人の割合で先天異常の子供が生まれるが、実際はっきりとした原因がわかる場合はまれであり、遺伝的なものや環境要因を合わせてもわかっているのは25~30%ほどである。
残りの約70%は原因がわからないのである。

科学者はいったい何をやってきたんだっ、といわれそうだが、実際に胎児を切り開いたりして原因を調べたりすることはできないので、なかなか難しい。生まれてすぐに亡くなったとしても、実験などできるわけがない。
それに、実際にマーケットに出ている化学製品だけでも6万から9万種ほどあるし、遺伝的なものもはっきりとしたものでないと調べられないので、原因を特定することも簡単にはいかない。

そこでどうしても動物実験が必要になる。私の実験室はねずみを使っている。
妊娠時に風邪を引いたりして42度以上の熱が出ると、胎児に影響が出る。多くの場合、無脳症などの先天異常が生まれる。これをねずみで実験し、どのようなたんぱく質が多く出ていて何故多く出るのかなどを調べる。先天異常は胎児が、どの時期にどのくらい要因に暴露されたかによって随分変わってくる。
だから実験も、少し日にちをずらしたり、熱を加える時間を増やしたり減らしたりすれば結果が変わってくる。
もちろん、ねずみと人間は同じではないからそこのところも考慮しなければならない。
サイエンスとはなんと地道な作業であろうか。

胎児が影響を受けた有名な化学物質として、サリドマイドとDES(ジエチルスチルベストロール)がある。
サリドマイドは手足の異常を生み、異常が目に見えたが、DESの場合、胎児が大きくなって思春期を迎えるころにならなければわからなかった。主に女性器の異常が発覚したのである。

自分の学んでいる「毒」はつまりは熱である。化学薬品も毒であるが、Phsycalな物質、紫外線や熱も毒と呼べる。
いきなり3日坊主になりかけた。
色々あって忙しかったのだが、そんな言い訳をしても仕方がない。

今日は短めに植物の毒について書いてみたい。
植物の毒はそのほぼ100%が動物やらから身を守るために作られるものである。
そして植物の毒はほとんどが共通する種類の物質で、「アルカロイド」とよばれる窒素原子を含んだ塩基性分子である。
このアルカロイドは、動物が植物を取るときに必要な筋肉を動かすときに使う神経ホルモン(アミンとアセチルコリン)と同じような構造をしている。よってアルカロイドを含んだ植物を食べた動物は、神経ホルモンの働きを狂わされるのである。

植物の毒で何か思いつくものはあるだろうか?
キノコの毒。植物ではないといわれれば何もいえないが、一応取り上げる。
なぜかといえば、天然の毒で死ぬ人の60%はキノコが原因であるからである。
幻覚性物質群は、シビレタケのように幻覚を起こすものであり、
アマニタトキシン群は、普通のキノコ(毒々しくない)のように見えるタマゴテングタケなどで、嘔吐、下痢、腹痛を伴い、軽減されたように見えた後で組織の細胞が破壊されるものである。中毒になった人の半分は死に至る。
ムスカリン群は、ベニテングダケなどのいかにも毒キノコのように見えるキノコである。だが、アマニタトキシン群ほどの毒はなく、軽い中毒症状がすぐに出る。

モルヒネ(アヘン)はケシから、コカインはコカの葉からできる。両方アルカロイドである。
この二つの毒(または薬)の違いを知っているだろうか?
モルヒネは身体的依存症を持ち、コカインは身体的依存はないが、精神的依存(被害妄想)が激しい。

カフェインはコーヒーに入っているアルカロイドである。
私自身、コーヒーが必ずしも効くという訳ではないが、久しぶりに飲むと体が興奮して手が震えたりする。
カフェインは細胞の活動を活性化するために必要なcAMPという物を増やす働きがあり、神経ホルモンが働いたときのようになる。

タバコが作られるタバコの葉は、アメリカからヨーロッパへはじめてもたらされ、日本へは1543年に鉄砲と同時に持ち込まれた。タバコは、毒性学ではいやというほど出てくるトピックで、タバコに含まれている物質は2千種類にも上るといわれている。後にタバコについて深く語るが、タバコに含まれるニコチンもアルカロイドである。

最後に歴史的に使われたものを紹介する。アフリカの原住民は昔、裁きの豆という物を使って、罪人の裁きを下していた。その豆はカラバル豆といい、フィゾスチグミンまたはエゼリンというアルカロイドを含む。
原住民は罪人にその豆を2,3十個食べさせ、生き残ったものは無罪、死ねば有罪という判断を下した。
この原理は、無実の者は恐れることなく一気に食べるので、胃が刺激され、豆を吐き出すので死なないが、
罪を犯したものは恐る恐る食べるので、毒がゆっくり吸収され、死ぬというものだ。

こうやって見ると、人間が活用しているメジャーな毒は結構植物からとられていることに気づく。
だが忘れてはならないのは、これらの植物の毒は大抵は薬として発見されたり、使われていることが多いということ。薬草という言葉があるように、死に至らしめるほどでないアルカロイドはあらゆる薬として使われてきた。
イギリスのジョン*ヴェインは万能薬と呼ばれて久しいアスピリン(解熱剤、鎮痛剤)の作用を解明してノーベル賞をもらった。アスピリンは元々、白い柳に入っていた「サリシン」という物質であった。

毒(つまり薬!)は意外と自分達の身近なところにあるものであったりする。
薬として使われたり、テロリストが使ったりするものだけが毒でないということをわかっていただけたであろうか。

ここ数年、ESPNというスポーツチャンネルとTravel チャンネルで、

ポーカーのトーナメントを大々的に放送している。

大抵、World Poker Tourだとか、World Series of Pokerだとかいうものだが、その優勝者が手にする額は億(円)単位である。トーナメントに参加するには5千ドルほど必要である。


私も他人に影響され、オンラインポーカーに手をつけた。

ポーカー=ギャンブルと思われる方がいるであろうが、その通り、ギャンブルである。

一般にギャンブルというとマイナスのイメージしかないように思われる。


だが私は、ポーカーは他のギャンブルと比べてはるかに自分の頭を使うと思う。

相手の性格やしぐさを読み、自分のカードではなくむしろ他人のカードで勝負する。

そこがやめられない理由のひとつである。

ただのカードゲームならば、そこまで熱中したりしないし、元々自分はギャンブルなどとは程遠い人間であった。


テレビのおかげで、オンラインポーカーは繁盛し、まるで日本人がマージャンをやるように大学生もポーカーをやるようになった。近くのスーパーにさえポーカーのチップを売っている始末だ。

私も大学時代、数人の友達と週末にお酒を飲み、ポーカーをテレビで見つつ、ポーカーをやったりした。


私が最近時間がある時に(院生にあるのか)やっているオンラインポーカーはParty Porkerという。

他にも同じようなものがいくつかある。Pacific Poker,AltimateBetなど。最近はプロのポーカープレイヤーがオンラインを経営していたりもする。


もちろん学生の身分でそこまでお金も無く、大きくはかけられないが、やり始めてはや2年、大きく勝ちはせずとも負けずにちょこちょこ勝つようになった。ここまで来るのに1年ちょっと、計数百ドルは負けた。だが、今その負け分を引いても千ドル近くは勝っている。

勝ったらあれを買おうこれを買おうと思いをめぐらせ、ゲームをするが、実際に勝っても、銀行に入れたまま生活費に消えていく始末。いつかはバーっと自分の好きなことに使ってみたいが、長年の貧乏学生生活が板についてしまったようだ。


私はマージャンのやり方をしらない。だが、それを知る人はみな、慣れるのに時間がかかるという。

ポーカーも、なれれば勝算は高くなると思う。テレビを見て自分もポーカーをやりたいという人が、オンラインポーカーにはあふれている。そんな人をポーカーでは「Fish」と呼ぶ。金づるのことである。

ポーカーは、プロになろうと思わず、オンラインでお小遣い程度に稼ごうと思えば、8割辛抱、2割運である。顔が見えない分、相手の手はかけてくるお金の量で推測する。


私はポーカーほどシンプルで、でもとんでもない駆け引きがあって頭を使うゲームの大ファンである。

「宝くじでお金があたったらなぁ」と簡単にお金をもうけられれば、と思う人がいると思うが、オンラインポーカーは自分の欲(賭けたいという欲、続けたいという欲)を抑えられる人であれば、結構簡単にお金が入るものであると私は思う。


この間、ラスベガスであったポーカートーナメントをテレビで見ていたら、なぜかさとう珠緒が出ていた。

日本でもポーカーはやりだしたのか?この間卒業して日本に帰った友達は、ポーカーチップを買って持って帰って日本ではやらせるのだといっていたが。


大分、毒の話からかけ離れてしまったので、次回はきちんとある物質について語ろうと思う。