安倍総理の訪中・訪韓は両国との摩擦解消になるのか? | Doronpaの独り言

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結論から申し上げますと、総理の訪中・訪韓は両国との一時的な融和関係をもたらすかも知れませんが、長期的に摩擦をより一層大きくする可能性があります。

靖国神社は明治維新(戊辰戦争)以降、日本の為に戦い命を落とした英霊たちをお祀りするために明治二年(1869年)に設立されました。平成十六年現在で二百四十六万六千五百三十二柱の御霊を英霊として祀っています。特に大東亜戦争で命を落とされた英霊が二百十三万三千九百十五柱に及んでいます。問題となっているのは、この大東亜戦争における英霊の中に、いわゆるA級戦犯と呼ばれる東条英機元首相他十四名の方たちが存在していることです。支那・朝鮮は
「A級戦犯が英霊の中に入っている(合祀されている)事は、日本が大東亜戦争での侵略の歴史を反省せず美化している証拠であり、そこに日本の最高責任者である総理大臣が参拝するなど断じて許されないことである。」として反発しているのです。そしてこの一事を理由に日中・日韓首脳会談を開くことを拒否し「全ての責任は過去を反省しない日本にある」と主張しているのが現状です。

こうした支那・朝鮮の反発の中、小泉前総理は最後の最後で公約を果たして靖国神社に参拝を行いました。「どうせ行くなら最初から8月15日に約束どおり参拝すれば良かったのに」という意見も多いかと思います。就任直後の8月13日の繰上げ参拝は、
山崎拓・福田康夫らの親中売国議員たちから「時期をずらして参拝するなら中共政府は靖国問題を騒ぎ立てないと言っている」というデタラメの進言を真に受けて、小泉前総理が参拝日を約束より二日ずらしたのだと言われています。支那の約束など真に受ける方がどうかしていると思うのですが、結局そのような約束は守られることはなく「総理による靖国参拝」は外交問題・政治問題へと発展していくことになったのです。もちろん、その後の小泉前総理の対応も問題であり、事前の約束が反故にされたのだから「何時行っても騒がれる」という総理として最後となった2006年8月15日の靖国参拝の理由として説明したとおり、翌年以降から堂々と8月15日に参拝していれば、もう少し事態は変わっていたかも知れません。

ともかく、小泉前総理から安倍総理へと受け継がれた靖国問題は今後も国内外で大きく取り扱われることは間違いないでしょう。安倍総理は自民党総裁選から一貫して「靖国参拝に関して行く行かないは言わない」と曖昧戦術を展開しています。総裁選でより大きな支持を得るために曖昧戦術で靖国問題を乗り切ろうとしたことは理解できます。しかし、
総裁選で最大公約数的な支持を得るための戦術も、外交的見地に立てば問題を複雑化するだけと考えます。靖国問題は突き詰めれば日本人自身の大東亜戦争に関しての歴史観が問われる問題であり、戦後60年以上我々はこの問題を先送りにしてきたのではないでしょうか? 結果としてそれが支那・朝鮮に付け込まれる要因となり、韓国に至っては「靖国問題はA級戦犯だけでは終わらない」と最終的には靖国神社そのものの破壊にまで結び付けようとする、日本への宣戦布告とも取れる発表を政府が行っています。日本人の宗教観・歴史観を自分達に従わせるのが、彼らの言う「日本が正しい歴史認識を持つこと」であり、日本側の言い分など最初から聞く耳を持っていないのが現実なのです。

この状況を理解した上で、安倍総理の訪中・訪韓を考えるなら一体何をしにいくのか? と理解に苦しむところがあります。安倍総理は著書のみならず、これまでの政治活動の中で「靖国神社に国家の最高責任者が参拝することは当然の義務である」旨を主張してきました。「靖国参拝をしない」と約束をして、これまでの自身の政治信条や日本人としての矜持を捨ててまで安倍総理が首脳会談を行うことはまず無いと思いますが、その一方で曖昧戦術を取り続ける限り相手側にいいように解釈を与えるものと判断されます。
まず間違いなく支那・朝鮮は「日本の総理は靖国参拝をしないと約束をしてわが国へ来る」という解釈をとるでしょう。しかし、先述の通り安倍総理は靖国参拝や支那・朝鮮への毅然とした対応をもって国民の支持を得てきたのであり、支那・朝鮮の言いなりなっていると国民に受け取られかねない「靖国参拝をしない」事は自らの政治生命を終わらせる自殺行為になります。であれば今後の安倍総理の対応を考えるに、訪中・訪韓で首脳会談が開かれた直後に靖国へ行くことは様々な情勢から難しく、また来年の(自民党が劣勢に立たされていると言われている)参議院選挙を控えて、余計な論争となりかねない靖国参拝という行動は取りにくいでしょう。とすると、現時点で安倍総理の次の靖国参拝の可能性が最も高いのは来年秋の靖国神社例大祭ではないかと考えます。

今回の訪中・訪韓で一時的には両国と一定の融和が可能かもしれませんが、曖昧戦術を取り続けて相手に勝手な解釈を与えることで、おそらく靖国参拝をするであろう一年後には小泉前総理の時以上の外交的大混乱が起きる可能性があります。現在、日本との関係で四苦八苦の状態になっているのは支那・朝鮮のほうであることは、安倍総理誕生以来の両国からの秋波をみればよく分かります。日本としては門戸を開いて両国が話をしたいというのなら何時でも受け入れるという態度を鮮明にしておけばよいだけであり、こちらから出向いて首脳会談を開いても何も収穫するものが無いのが現状ではないでしょうか? 歴史問題・靖国問題・領土問題、どれをとっても現時点で支那・朝鮮と話し合いがつくものが何もなく、結局安倍総理は何をしに訪中・訪韓するのか? ということになるのです。もちろん、
外交的パフォーマンスの一環として両国を訪問し首脳会談を開くことで、日本は何時でも話し合う用意があるという姿を国内有権者や世界に見せる意味があるのは理解できますが、今回の訪中・訪韓はそれでもデメリットの部分が大きいのではないかと考える次第です。

日本国内で叫ばれる「アジアとの友好関係」とは、「支那・朝鮮との友好関係」だけを指しているのであり、実際は支那・朝鮮という反日異常国家以外のアジアと日本は比較的友好関係にあるといってよいと思います。
あえて支那・朝鮮をアジアという言葉に置き換えて危機感を煽ろうとする反日極左が日本人の中に存在している事を我々はもちろん、安倍政権下の政治家たちにも十分認識して頂きたいのです。そして、戦後60年以上続いた日本の平和外交・全方位外交という敵を作らない外交の役割は既に終わっており、異常反日を繰り返し明確に日本への敵対行為を行っている支那・朝鮮を日本の敵として対処する、新しい日本外交の再構築を安倍総理に期待したいと思います。


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