虎キチ、次郎に違和感を覚える | 泥棒猫の言い分

泥棒猫の言い分

愛した人を略奪しました。

→バックナンバーはこちらからどうぞ♪「泥棒猫の言い分・目次」

 

→ついでと言ってはナンだが登場人物紹介

 

 

 

 

 

その事件は、小さなできごとでしたが、大きな流れを産み出すことになります。

離婚から半年とすこし経った、ある夏の暑い日のことでした。

 

 

 

 

 

虎キチは、次郎をある大きなスーパー銭湯に連れて行きました。

ちょっとしたアミューズメント施設を併設しており、入場料も普通のスーパー銭湯よりお高めです。

 

 

 

 

虎キチはそこで次郎と入浴し、遊んでやり、最終的には横になれるごろ寝スペースで漫画でも読みながら、モラ美の迎えを待つつもりでした。

 

「つまんない」

「ゲームセンター行きたい」

 

次郎がゴネ始めました。

 

 

いちばん近くのアーケードまではだいぶ歩きます。

 

入浴したのに夏の昼間に歩くって。

俺の車は使用禁止だし(モラ美理由、女の車は汚いから)

 

 

 

 

しかし次郎がしつこくゴネます。

 

仕方ない。

 

虎キチは次郎をゲーセンに連れて行きました。

 

 

 

 

「ガチャガチャやりたい」

「ここで(キッズスペース)遊びたい」

「これで遊びたい」

「Mac食べたい」

 

 

 

 

虎キチは、このとき初めて、次郎に違和感を覚えました。

 

コイツ、

遊びたいからそう言ってるんじゃなくて、

金を使わせたいからこう言ってるんじゃないか?

 

 

 

 

 

事実、虎キチの感じた違和感は事実なのです。

自己愛性人格障害の人間は、そう他人を振り回すことで快感を得ることがあるのです。

この子の母であるモラ美もそうでした。

 

お金を使ってくれる=愛されている

 

こうした歪んだ構図の心理を持っています。

(だから虎キチの財産は食いつぶされた上に、離婚後も金銭的に異常な条件がつけられているのです)

 

 

 

 

 

虎キチの心にふと浮かんだ言葉。

 

「コイツ、金食い虫」

 

 

 

 

 

優しく感受性の強いはずの幼い我が子を見る虎キチの目は、このとき白々としていました。

 

 

 

 

そしてこのときのことが呼び水となり、虎キチの心がまたもや大きく動かされる出来事が起こるのです。