虎キチ、分岐点に立つ | 泥棒猫の言い分

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虎キチは毎晩のように、義務付けられていた3時間の面会に行っていました。

 

 

 

 

モラ美は、以前おでんを拒否られたことがショックだったようでしたが、やはり虎キチに自分の家で飲み食いさせたいようで、虎キチの分も含めてたい焼きを買ってきたり飲み物を出したりしていたようです。

 

 

虎キチの夕食が進まないので理由を聞いたらそんな事実を知り、そちらの家で飲み食いしないで欲しいと虎キチに私は頼みました。

虎キチがそれを了承して、私との約束を守ってくれたので、モラ美もじきに虎キチに、水一杯も出さなくなりました。

(お腹が空くので仕事が終わってすぐに帰宅して、こちらで夕食を食べてからモラ美家に行くようになりました)

 

 

 

 

虎キチと子どもたちの面会の様子は、私からは特に尋ねることはありませんでしたが、虎キチの言葉のはしばしに推察することが出来ました。

 

 

「@@@(虎キチが当時ハマっていたゲーム)ここまで進んだよ!見てくれよ、新しいキャラ出た!」

 

「えー!すごい!ずいぶんやり込んだね!」

 

「さっき(モラ美家で)ずーっとやってたからさ~」

 

とか、

ほかには、

 

「###(虎キチが当時ハマっていた漫画)もう15巻まで一気に読んじゃった、超面白い!」

 

「あれ?朝7巻までって言ってなかった?いつ読んでん?」

 

「向こう(モラ美家)でずーっと読んでてさ~」

 

 

 

 

よくよく聞けば、虎キチ、

子どもと話すことも、子どもと交流することも、ほとんどない様子です。

行って、3時間をてきとーに過ごし、子どもは子どもでテレビでも見ている。

たまーに、一緒にゲームをする程度。

 

何しに行ってんの状態。

行く意味あんの状態。

 

 

 

 

 

もうそろそろ頃合いかもしれない。

 

そう思った私は少しずつ、虎キチに話していきました。

 

本当に子どもは、あなたに会いたがっているんだろうか?

子どもをダシにして、あなたに会いたいのは、モラ美じゃないんだろうか?

 

 

 

 

 

 

虎キチは、最初はこの私の意見をうとましそうにしていました。

 

やはり、虎キチも努力を払って通っているのに、向こうに歓迎されてないというのは、受け入れがたい事実です。

また、解け始めて来ているとはいえ、やはり共依存なうの虎キチですから、モラ美が言う、

 

「アンタなんか大嫌いだけど子どものために仕方なく」

 

この発言を真に受けていますので、まさかあ!モラ美はもう俺に会いたがっていないよ!などとのん気に言っていました。

 

 

 

 

 

 

しかし、虎キチ。

彼もこの頃、分岐点に来ていました。

離婚以来、二度目の分岐点です。

 

離婚は、形としてのモラ美との分離。

 

この分岐点は、実質としてのモラ美との分離でした。

 

 

 

 

 

「でも、〇〇〇(次男名)が別れ際にさみしそうにする顔見てたら行ってやらなくちゃって思って……」

 

「〇〇〇は俺のことなんか好きじゃなかった。俺もそうだったけど、男の子は普通親父なんかとベタベタしたいって思わない」

 

「〇〇〇は繊細な子だから、絶対傷つけちゃいけない子だから……」

 

「死別や単身赴任なんか、子どもと親がどうしても会えない理由はあるんだから、離婚だって同じだし子どもも受け入れる必要がある」

 

 

 

 

 

などといった、人格的にも分離したようなことを虎キチは、口にし始めるようになり始めました。