虎キチ、準備を進める | 泥棒猫の言い分

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 8月29日のケンカ、9月2日の俺には好きな人がいるから別れたい宣言以降、虎キチ・モラ美夫婦の離婚話はどんどん進展していきました。

 

 

 

 

 

「行くところがない」

「一人で暮らしていくなんて無理、怖い」

 

泣きながら訴えかけるモラ美のなけなしの抵抗が続きますが、虎キチは取り合いません。そしてモラ美、この期に及んでもまだ、

 

「別れたくない」

「離婚はしてやらない」

 

などの言葉を出すのを渋っています。それどころかやはり離婚に向けての準備を虎キチよりもサクサク行っていきます。

 

 

 

 

 

 

 

虎キチがある時、10月10日に私に会いに行く話をしたところ、モラ美は顔色を変えて怒り出しました。

前に言ったでしょ?あなたその時それで怒ったでしょ?って虎キチがいくら言っても、聞いてないの一点張り。

しまいには、帰ってきたらその日は家の風呂使うな、着ていった服は捨てろ、汚ならしい!とモラ美は吐き捨てました。

 

 

 

 

 

 

「そんなの無視しちゃいなよ。あなたが家賃出してるあなたの家なんだから権利はあるんだし」

 

「うーん、でもうっとおしいからいいや、これ以上アイツにゴチャゴチャ言われたくないんだよね」

 

おそらくモラ美は、自分にメロメロなはずの夫に好きな女がいた、離婚の申し出、このダブルパンチにショックを受けすぎて、ほかのことは何も覚えていないのでしょう。

 

 

 

 

しかし、不思議なことに、やはり、

 

「会いに行かないで!」

 

とだけは言わないモラ美。

こじらせ方もここまでくると意地とか以前に病気です。

 

 

 

 

それどころか、私はこの頃、無気味な話を聞きました。

 

 

 

 

虎キチが、私に会いに行くのに服を選んでいると、モラ美が横から口出しし始めました。

虎キチが着て行こうと考えていた服を、ダサい!ヘン!とさんざかバカにしました。

(これはいつものことらしいのですが)

なので虎キチは、だったらどれがいいと思う?とモラ美に聞きました。

モラ美チョイスのセンスで、これがいい!と選びました。

 

「カッコよくないと嫌われちゃうよ!」

 

モラ美は言いました。

 

 

 

 

 

 

いくら、

私はお前なんかに関心ない、と強がるにしても異様です。

 

 

 

 

浮気相手とデートするのに着て行く服を選ばせる男。

選んでやる女。

 

 

 

 

 

やー参ったよアイツ、口出しウザいし言う通りにしなきゃいつまでも言うから面倒くさいんだよな~。

 

電話でそんな出来事を悪びれもなく話す虎キチ。

 

これがおかしいことだとは全く思ってもみない虎キチ。

 

 

 

 

正直言って、少し薄気味悪さを感じたことは事実です。

 

デートに着て行く服をモラ美が選んだ。

 

その事実は、モラ美の選んだ服という形を取って、モラ美が私たちの逢い引きにねじ込むように無理矢理参加してきたと思えたのです。

 

 

 

 

 

 

二人の共依存の深さに慄然とするとともに、彼女と虎キチが離婚すれば終わり、そんな単純な話ではないんだろうな、そんな予感がこの時、私には痛いくらいに感じられたのでした。