泥棒猫、ドブスすぎて悩む | 泥棒猫の言い分

泥棒猫の言い分

愛した人を略奪しました。

→これまでのあらすじにご興味のある方。目次に飛びます♪

 

 

 

 

虎キチ、大好きな泥棒猫との電話が当たり前になり始めると、アレを蒸し返し始めます。

そう、アレです。

 

猫ちゃんの写メくれ。

 

メールのやり取りメインだった頃はスルーもしやすかったのですが、これが直デンだとなかなかそうはいきません。

はぐらかしたり、そのうちね~などと言ってごまかしたり、いきなり話題を変えたりしていましたが、虎キチは自分の写メをガンガン送りつけ、私への要求もどんどんしつこくなっていきました。

 

「ねー、ホントさー、写メちょうだいよ、なんで~?欲しいよ写メ、どうして送ってくんないの~?」

 

「そういえば虎キチくんは~」

 

「いやいやいや、写メ欲しいよ~、ねえ、なんで?なんでくんないの?」

 

ウザい、

イヤがってんだろ、

察しろ!

 

しかし虎キチ、私の都合なんかどうでもよく、もうひたすら写メが欲しくてたまらないらしく、しつこさ全開で食い下がります。

 

仕方ねえ。

言いたくなかった。

 

私は、虎キチに渋々言いました。

 

「………………写真うつり…………悪いねん」

 

「なーんだ!そんなの気にしないから送ってよ~!」

 

ピグッ。

そんなのだと!?

お前、オトメが羞恥心MAXで答えてんぞ!

その意見尊重せんかい!!

 

「……。

……。

……。

……。

虎キチくん、好みのタイプって、どんな顔?」

 

「ん?俺の好みはね~」

 

 

 

 

 

虎キチの好みの話を聞きながら、私は苦悩の真っ盛りです。

だって、

私、

 

世界一ブサイクな女だから!

↑醜形恐怖症からくる思い込み発動中

 

 

 

 

 

 

 

 

これが、ただのお友達でもツラいのに、虎キチは、

泥棒猫が生まれて初めて好きになった男。

です。

 

写メ送って逃げられたら一生トラウマ間違いなしです!

 

ここまでの人生で、

向こうから私に近づいてきた男たちはかまわない、

私のウルトラブスを知りながら来たんだから自己責任。

きっとブス専、

あるいは気の迷い、

またはここまでのブスならいっそ話のネタになると思って、

それとか男が勇者で私が魔王に見えてるとか、

(ここまでチキンの私ですから、当然自分から男に近づいたことなんかありません。ブス身をわきまえてます。迷惑だって知ってます。でもより好みは激しかったです。ブスの分際で勝手です)

でも、

 

写メ送って虎キチが態度変えたら私の運命ナイトメアモード突入だろ。

 

とも、思いますし、

気の毒にも思うのです。

 

こんなドブスと知らずにときめいてる。

(この頃彼がどんな家庭か知らない)大切な家庭がある人が、

きっとステキで可愛い女性を想像してるに違いない。

これ詐欺でしょ、

教えた方が彼のためだよ、

もうこれ以上幻想抱かせるなよ、

私が彼を好きなのは勝手だけど、彼だって、美女と恋愛する権利あるはず!

 

 

と、思った次の瞬間には、こんな風に思うのです。

 

 

私耐えられる?

欠陥人間でコミュ障の私が初めて好きになった男が、

 

私の写メを見て圧倒的大絶望、

全身全霊でリバース、

こんな女追っかけ回したと思ったら軽く死にたくなる、

おはらいのために写メ受けたパソコン燃やす、

 

とか!!!

 

うわぁ……。

 

いかんいかん。

私の方が吐き気してきた。

まるきり耐えられる気がしなくて首吊りたくなった。

 

 

 

 

 

 

こんな、マイナス思考すぎてほとんどファンタジーな、けどヘビーすぎる悩みを抱えて無限ループに落ち込んでる私に、虎キチの写メくれコールは日ごとに勢いを増していくのでした。