何度も書いてるけど、私は他人に関心がなく、恋愛感情の湧かない人間だったので、
彼妻、
彼子ども、
彼家庭、
などが気になったことが全くない。
言ってしまえば、
彼そのもの、
ですら、どーでもよく、
今頃どうしているのかな?会いたいな……。
なんて感情、持ったこともない。
妻の愚痴トークを始めようとしたヤツに、
「その話、必要?長いんかなぁ?」
などという血も涙もないムザンな切り捨て方をバッサァー!とやっちゃうような冷血さがあった。
だから、それまで、歴代不倫で彼妻を見たいと思ったことがないし、見たこともなかった。
そんな私が偶然に初めて見た彼妻は、
みすぼらしすぎた。
なんか、憐れで、気の毒だった。
BMWとレクサスに乗り、カルティエが好きで、いつも気前のいい彼の、別の面を見た気がした。
きっと、妻が若くて可愛かった頃は、かっこいい自分に似合いの輝くアクセサリーだったことだろう。自慢の妻として連れ歩いただろう。
劣化してきたら、
生活に必要な程度の額だけ金を家に入れて、あとはみんな、使っちゃうようになった。
女は、代わりはいくらでもいる。
もちろん、彼に聞いたわけじゃなくて、みんな私の想像だけど。
でも、
私は、
彼妻はおしゃれで美しくて、高慢そうな女だと、なにか、イメージしてた。
きっと、そうであったらいいなって、思っていたのに違いない。
だって、
あれでは、
私がやってるの、弱い者いじめやんけ!
夫にスキューバに連れて行ってもらうことも、夫にイタリアに連れてってもらうこともない、
エステやネイルの費用なんか、捻出すらできない。
まるで飼い殺しな、夫婦関係。
それでもいい、
夫が好きだから、そばに居るだけで、幸せなんだ。
そんな女の、
なんの楽しみもなさそうな、女の、
一番大切なものを取り上げてオモチャにしてる私って、どない!?
ものすごい、自己嫌悪に襲われました。
そんな風に、平気で劣化しちゃえるから、浮気されんだよ!
女だったら、いつでもキレイでいないとダメでしょ~?
ヨソの家庭の事情なんか知ったこっちゃねーわ!
( ゚∀゚)アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \
なんて声が、自分の中で聞こえる一方、
あり得ないくらいにヒドい男……。
として、あれだけ魅力的に見えた彼が、一気にくだらないヤツに思えてきました。
同時に、自分自身に、初めて、
加害者、
という言葉が、重くおもーーーーく、ズシンとよっこいしょしてきました。
彼は、理由もわからず突然冷たくなった私を、引き止めるでもなく、去って行きました。
彼ほどのモテ男なら、女は順番待ちです。
いっくらでも、いるんです。
要は、そんなもんです。
もう、やめよう、不倫。
よかったじゃないか。
自分がしていることの愚かしさに気づいて。
思えば、
遊び人ばっかり、自分も100パ遊び、
そんな関係だったことが本当に救いだ。
互いに完全に割り切ってたからこそ、どこの家庭も破壊せずに済んだ。
慰謝料だの離婚だの修羅場だの、そういう泥水かぶる前に、こんなに罪深いことをあれだけやっておきながら、ノーダメージで終わって本当によかった。
そんなことを考えながら、私の不倫歴は終わった。
はずだった!
終わってなかった!
しかも、このあとにしでかす最後の不倫が、
一家庭を完全にぶち壊すモノになるとはつゆ知らず、
見知らぬ男女、
関東の男と、関西の女が、
離れた空の下で、二度と不倫なんかするもんか、と、誓い合うのであった。