ほっとしたのもつかの間

まわりは、大変な被害でした。


低い土地へと流れた水は

溜まったまま残っていました。


危険を知らせてくれた友人宅へも

近づくことができませんでした。


町は、不気味なほど静かでした。


無言で歩く人の群れを 忘れる事ができません。


まるで、戦後のようだ・・・


お年寄りが つぶやきながら歩いていました。


歪んだ道路、用水路に重なる車、ずぶぬれの人々

日常が失われた瞬間の恐ろしさ。


家に戻って呆然とするわたし。

それでも、子供達は元気でした。


家にあったカセットコンロを使って

子供達に食事を摂らせました。


それから、わたし達と一緒に避難していた家族は

近所の人の ご好意で

離れた安全な場所での避難生活を送る事になりました。


旦那さんの安否は まだ不明のままだったので

置手紙を残すように言い

自宅を離れました。


わたしの実家とも、主人の実家とも

連絡はつかないままでした。