映画「僕だけがいない町」 | 沈みかけ泥舟のメモ

沈みかけ泥舟のメモ

訪問していただき、ありがとうございます。

内容が定まらない更新少なめ不定期なメモ。

今はネタバレなしの映画感想ブログ化してます。

映画「僕だけがいない街」を鑑賞しました。

「僕だけがいない街」は原作コミックの連載最終話とアニメ最終回、それに実写の映画がほぼ同時という
ちょっと珍しいタイミングの良さで展開されてます。

話題作りには良い効果がありそうですが、比較されやすいという欠点もあります。
出来れば三作とも同じモチーフの別作品として楽しんでいただきたいなと思います。

「僕だけがいない街」は自分の心に正直になれない売れないマンガ家「藤沼悟」が
「誰かが死ぬ事件が身近に起こるとそのきっかけになる出来事が起こる直前に時間が戻る」
という現象「再上映」によって自分の母親殺害と子どもの頃に発生した連続幼児誘拐殺人を
解決に導こうと奮闘する物語です。

僕だけがいない街のアニメは全十二話、約六時間で出来ていて
映画はさらにその三分の一の約二時間でまとめられています。
アニメでさえコミックからエピソードを省いたり改変したりしてまとめたんですから、
実写映画はコミックと比べてしまったらさらに大きな改変が行われています。

特にアニメや映画で大きく改変されているのは「最後の再上映」から戻った後に待つ
「変化した現在」についてのエピソードです。

なので、コミック・アニメ・映画のラストの違いは「変化した歴史が分岐して発生した」と
好意的に解釈する事も出来るわけです。

原作コミックファン、アニメファンにも「平行宇宙」を眺めるような気分で鑑賞していただきたいと思います。

モチーフは同じだけれど別作品だと考えても、ちょっとだけ納得出来ないエピソードが実はあります。
やはり、元が長いのでうまくエピソードを抜き取り再構成しても単体の映画として見てわかりづらい場面が
出てきてしまったという感じでしょうか。
傑作とは残念ながら言えません。

それでも、お金を払って見に行くだけの価値はあるかなと思います。
アニメや当然コミックにも興味がない方が見るには十分な出来ではないでしょうか。

ただ、ラストの「気持ちよさ」は映画はあまり良くなく、次いでアニメ、もっとも良いのが原作コミックなので、
映画を見て、アニメを見て、原作コミックを見るというのが個人的にはオススメな順番です。

そういえば、改変の中でコミックとアニメは共通するけど映画だけ大きく変えた点があります。
二時間にまとめるためにそうなったんだろうと理解出来る改変なんですが、
これを語ると完全にネタバレになるのでここでは伏せておきます。

この改変が許せるかどうかで、実写「僕だけがいない街」の評価は大きく割れると思います。
映画館で確かめていただきたいです。

ケンヤ、水、最後の再上映からの帰還、連続幼児誘拐事件のその後。

この辺りを許していただけるといいなと思ってます。