池上彰さんが政治家をズタズタ | 沈みかけ泥舟のメモ

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池上さんは面白いくらい政治家を切って捨てていました。

自民党の選挙対策委員長「河村建夫」さんには
「選挙の責任は幹事長にあると言いながら、
最大の殊勲者は石破幹事長ですかと聞いたら
『いや、総力戦だ』とおっしゃいましたね」
と手柄を渡したくないという本音を突きました。
「丸川珠代」さんはインタビューの約束をすっぽかして逃げましたが
「何年も投票に行っていなかった人が立候補した気持ちを聞いてみたかったんですが」
なんていう意地悪だけど真っ当な質問をしようとしていました。

自民党、公明党、日本維新の会、みんなの党の幹部との多元中継では
「石原慎太郎さんは自民党は公明党と手を切らないといけないと言ってますが」
などと返答に困る質問をぶつけていました。
ヒゲの隊長と呼ばれた元自衛官の「佐藤正久」さんには
池上さんの「自衛官OBやその家族の支えで当選しましたね」という言葉に対して
「国民の意思です」という自分を過大評価、正当化しようと続けた言葉を
さっさと切り上げて次に回ってしまうという小技もありました。
わずか30%の投票率なのに「国民の意思」というのは笑わせてくれました。

未来の自民党を背負う表看板になる小泉進次郎さんのトリックについても
実際に演説する前に解説してしまうという意地の悪いことをしていました。
「小泉進次郎さんの演説は文字にすると政策には語らず中身がないのがわかるけど、
聞くと感動してしまう」というのは演説のうまさを褒めたことになるんでしょうか。
「ダジャレ」「遊説先の方言」「名産物」「自民党を批判するような言葉で自民党への投票をうながす」
池上彰さんが言ったとおりの内容を小泉進次郎さんが得意気に語る姿は
演説を聴きに集まっている人の熱狂のせいで余計に笑いを誘ってしまいました。
その後の単独インタビューで政治家としては有能な
逆に言えば表裏がはっきりとあってそれを見せない怖さがある
小泉進次郎さんの不気味さもよくわかりました。

民主党の「細野豪志」さんには選挙大敗に対して責任を取るのか迫り、
「思うところはあるけれど、海江田党首と相談して決める」という
事実上の幹事長辞任発言を引き出していました。
民主党の執行部はこの池上さんに言わされた発言を機に
木っ端みじんになるかもしれません。
そのまま続けようとしたら今度はさらに支持者を失うでしょうし。
そのしばらく後で「海江田万里」さんも出ていましたけれど、
細野さんと違ってあまり潔いイメージのないよくある政治家答弁をしてました。
池上さんがオブラートに包まずに話すせいで、
正面から答えないいわゆる「政治家答弁」をする人が出てくると
国会中継以上に「逃げている」という現実が浮き彫りになります。

公明党候補や議員に対する切り方も相当なものです。
そのせいか、途中であった「各党の本部を訪ねる」というコーナーのVTRでは
公明党本部だけは取材できないということがありました。
その後に公明党の「山口那津男」代表が登場したときに
「断ったのではなく日付が悪いので別の日にしてくれと頼んだ」と修正していましたが。
また、「選挙活動をして功徳を積む」という創価学会の会員の言葉を捕まえて
公明党の「佐々木さやか」さんに対して
宗教と政治の関わりについての問題を切り込んでいました。
さすがに佐々木さんは弁護士でもあるらしくうまく切り抜けていましたけれど。

他にも池上彰さんに切り捨てられていた政治家はたくさんいましたし、
前回の衆議院総選挙の特番で切られて痛い目を見た政治家は
ドタキャンや最初から断ってくるなど逃げ回っているようです。

池上彰さんの凄さはよくわかりました。
ですが、同時に日本のジャーナリストの質をもっと上げないと
もっともっと日本はダメになるなとも感じました。
池上彰さんと同クラスのジャーナリストがもっと増えないと
困ってしまいます。
某新聞や某テレビ局などのように右や左に傾いた報道ばかりしたり
ネットのように誹謗中傷ばかりでまともな意見も出てこないような
大局に立てない、多極的ではない情報の流ればかりになると
どこへ向かうべきか見えなくなってしまいます。

池上彰さんが100%理想通りのジャーナリストだとは思いませんが、
少なくとも右翼も左翼も保守もリベラルも満遍なく
どこかに有利になるようには出来るだけならないように
国民に情報を行き渡らせてくれる人がもっと増えていただきたいと思いました。

泥舟、池上彰さんの後を継ぐ人はどれだけいるのだろうかと思う。