人生はよくマラソンに例えられるけれど、
ただのマラソンではなく
目隠しをしてのマラソンかもしれない。
どこに向かって走っているのかも
どこがゴールなのかもわからないから、
その一歩が本当に正しいか自信が持てないまま走り続ける。
心の中にはいつも不安がある。
不安が解消されるのは体力が衰え、身体が動かなくなって、
もうすぐ命が尽きることで走らなくてよくなるとわかる、
人生の晩年を迎えたときだろう。
若くしてその目隠しが取れて世界が見え、
不安がなくなった状態が悟りをひらいたということだろうか。
悟りをひらけない凡人や俗人が不安を解消したかったら
命を終わらせることを覚悟するしかないかもしれない。
自殺志願者はひょっとすると誰よりも清々しい気持ちかも。
泥舟、晩年の心持ち。